「最前線にマスクと防護具を」 〜第一線の臨床現場で働く友人医師らの取組み〜

私のような事務系の会社員は、新型コロナウイルスの猛威に対して、
「できるだけStayHomeして余計な外出をしない」「頻繁に手を洗う」
といったこと以外に、積極的にできることはほとんどありません。
（感染拡大防止には、政府や自治体による自粛要請等を皆がしっかり守ること自体がもちろん大変重要なことです。）

ただ、もし、お手元にマスク（特にN95マスク）や医療用防護具を持っている、という方がいらっしゃいましたら、臨床の最前線で奮闘する医療従事者の皆さんを守るためにできることがあります。

ここでは、私の中学校以来の友人である萩野昇医師（帝京大学ちば総合医療センター内科医）や、三陸アーカイブ減災センターの秋山真理さんらが中心となって行っている取組み「最前線にマスクと防護具を」プロジェクトをご紹介します。

「最前線にマスクと防護具を」プロジェクトは、「以前の新型インフルエンザ流行時などに企業や個人が調達したマスク類で、その後死蔵しているもの」を寄附してもらい、物資不足に悩んでいる各地の病院に送り届ける、というマッチングの取組みです。

純粋に民間の取組みですが、特にどこの病院で物資が不足しているか、といった情報については、できるだけ政府や自治体とも共有するように努めておられます。

先日は、ＮＨＫニュース「おはよう日本」やＴＢＳ「報道特集」でも、この取組みのことが報じられました。

個人でも少数ながらN95マスクを保有している方が結構おられるようで、そのような方々からのご厚意で、既に数多くの寄附が集まっているとのこと。

また、マスク類の提供をうけた医療従事者の方々からも、
「孤立無援で頑張っているのではなく、そういう応援をしてくれる市民がいる、企業がある、ということが、心の支えになると思います。」
「物もありがたいのですが、気持ちが繋がるのが嬉しいですよね。」
といったお礼の声が寄せられています。

萩野昇医師自身、取材に対して、
「寄付だけで賄えるわけではなく、綱渡りの状況に変わりはないが、緊急避難的な措置として、最前線に防護具を届けるためにそうした物資を寄付してほしい。」
と語っているとおり、あくまでも、十分な量のマスクや防護具が量産・供給されるようになるまでの「つなぎ」的な措置ではありますが、皆さんの寄附が現場第一線の医療従事者の方々を救うことに繋がります。

実際問題、萩野医師の病院でも、マスク類はもちろん、医療用防具服の在庫も枯渇しかかっており、ビニール袋（ゴミ袋）を自分たちでＤＩＹ工作して防護服の代用品として使っているほど、医療用物資の不足に悩まされている様子。

「どうして専門家なのにうつってしまうんだろうという疑問は拭えない」などという頓珍漢なコメントをしたワイドショー司会者もいるようですが、得体の知れない弾丸や爆薬が雨のように降り注いでくる中にロクな防具もなく徒手空拳で出陣することを余儀なくされている医療従事者の皆さんのことを想像してみてください。

もしかしたら自分の家にもあったかも、と心当たりのある方は、
数は少なくても、また、（あくまでも緊急避難的な措置のため）使用期限の切れているものでも構わないようですので、
Twitterアカウント @covid19maskjp
または
covid19maskjp@gmail.com
までダイレクトメールをお送りください。
（少人数のスタッフで運営している都合上、返信が遅くなりがちですが、必ず見ています、とのことです。）

これからは、いよいよ本格的に、寄附で集まったマスク類を各地の多くの病院に送り届けていく段階に入っていきますが、スタッフの皆さまは手弁当で運営されていますので、仕分け・梱包・発送等にかかる実費に関して、金銭による寄附の募集も開始しておられます。
賛同いただける方は、寄附の振込先等について、
Twitterアカウント "最前線にマスクと防護具を" @covid19maskjp
をご参照ください。

皆さまのご協力をいただければ、友人としてこれほど嬉しいことはありません。
どうぞよろしくお願いいたします。


（追 記）
ロイター（英語版）の記事でも萩野医師らの取組みについて言及されています。
Tired of waiting on the government, Noboru Hagino, a specialist in rheumatology in a prefecture east of Tokyo, has been working with three others to scour the country for masks, asking for donations from individuals and businesses.
"Health ministry officials are too slow," said Hagino, but added that they didn't have the time amid the coronavirus outbreak to fundamentally fix the problem.