生きるとは罪を重ねること
できない、分からない、持ってない。
歳を重ねていくほど、無いものが増えていく。
先日公園で、両親と祖父母に見守られながら、歩く練習をする幼児を見かけた。
段差を登れた。それだけで拍手喝采で、遠くから微笑ましく思いながら、また寂しくも感じたのだった。
生まれたばかりの頃は、歩くだけでみんなが喜んでくれたのに、どうして今は無いものを求められてしまうのだろう。
夢無し、希望無し、未来無し。
「何もできない……」と愚痴をいうと、ある人に
「無い無い探しより、あるある探しだよ♪」
と言われたのだが、それは大きな抽選箱の中から当たりを掴むようなもので、運すら持たない人間にはあまりにも難しい課題だ。
そこで、どうして無いもの探しをしてしまうのか屁理屈を考えてみた。
・イデア論
イデア論は、プラトンが説いたイデアに関する学説のこと。 本当にこの世に実在するのはイデアであって、我々が肉体的に感覚している対象や世界とはあくまでイデアの《似像》にすぎない、とする。(Wikipediaより抜粋)
よく例に挙げられる、「三角形のイデア」で説明すると
『現実世界では、一見完璧に見える三角形も、原子レベルでは丸みを帯びている。
それに、三角形といっても、辺の長さや頂点の角度、線の色にもいろいろある。それらは「三角形の本質」ではないが、そのすべてに共通するものが本質として存在しているはずである。
そうした三角形の本質を三角形のイデアと呼び、具体的ないろいろな三角形はその影であると考える』
というもの。
つまり、「現実世界において、まったくの矛盾がなく、完全に○○である、ということはありえない」。
同時に、「完全な○○」を真実在=イデアとして想定するのが「イデア論」である。
現実に存在する全ての物事は「イデアの影』なので、例えばスマートフォンもスティーブジョブスが生み出したわけではなく、スマホのイデアを思い出したに過ぎないということ。
なぜ我々がイデア(理想体)の存在に気付けるのかというと、生まれる前の魂の状態で過ごす世界がイデア(天上界)そのものだから。
らしい(※素人の説明なので間違っている部分がある可能性もあります)。
つまり、完全な人間の姿を知っているから、無いもの探しをしてしまう。
あるべき自分像と今の自分を比べて落ち込んでしまうのは、自分のイデアは実際に存在しているからだ。
・マルチバース理論
同じ話の繰り返しになってしまうが、プラトンは
我々の魂は、かつて天上の世界にいてイデアだけを見て暮らしていたのだが、その汚れのために地上の世界に追放され、肉体(ソーマ)という牢獄(セーマ)に押し込められてしまった。そして、この地上へ降りる途中で、忘却(レテ)の河を渡ったため、以前は見ていたイデアをほとんど忘れてしまった。だが、この世界でイデアの模像である個物を見ると、その忘れてしまっていたイデアをおぼろげながらに思い出す。このように我々が眼を外界ではなく魂の内面へと向けなおし、かつて見ていたイデアを想起するとき、我々はものごとをその原型に即して、真に認識することになる。(Wikipediaより抜粋)
と考えた。
そこで、マルチバース(多元宇宙)理論を使って、「魂の汚れ」と「自分のイデア」について考えていく。
多元宇宙、別名並行宇宙やパラレルワールドとも言う。
それについての説明は面倒なので、下記のサイトなどを参考にしてほしい。
パラレルワールドについてはこちら。
そして、それら多元宇宙は、誕生初期には何度もぶつかり合って傷をつくった。(詳しくは以下)
その傷こそ「魂の汚れ」であり、「自分のイデア」を崩すきっかけになった。
・まとめ
まとめると、
多元宇宙が誕生したての頃、それぞれの宇宙がぶつかり合いオムニバース(多元宇宙を一つにまとめた状態)に傷がついた。結果、魂(イデア)というものにも傷がつき多元宇宙にバラバラと分散。
分散された魂がそれぞれ肉体を持ち、影として様々な可能性を生きる(パラレルワールド)。
しかし、影としての人生は全て真実在(イデア)ではないので無意味(虚無主義)。
現在、人が自分の理想像に囚われるのは、一番近い存在である自分のイデアを思い出しかけているから。
無い無い探しをしてしまうのは、影として生きているから当たり前のこと。
影としての人間は、生きていく行為そのものが真ではないという罪を犯しているので、生きることは罪を重ねることになってしまう。
なので、解決策としては理想と現実の差に落ち込んだり、足りないできないことに傷つくのを、諦めること。
理想も現実も、どちらも自分自身だと認める。
駄目な自分を許し、愛する。
全てを受け入れるのではなく、採点のハードルを下げる。
……以上が私の言い訳である。
自分を認めるというのは難しいことなので、これからも胸を張って、ナヨナヨクヨクヨとして生きていく😤
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