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無駄な人生
「人生を無駄にするなよ」
そして本を読め、そう言って父は参考書を私の前に詰んだ。
「なにそれ.......」
私が人生を無駄にしているように見えるってこと?
私の今までは無駄だったって言いたいの?
私はいつの間にか、父の胸ぐらを掴み殴っていた。
私はアヴィーチーの音楽が好きで、特にThe nightsという曲を好んで聞いている。
英語が読めないので歌詞の内容など気にもとめていなかったのだが、今日ふと和訳を調べてみた。
なんと、これは「人生を無駄にするなよ息子よ」と歌う父の歌だったのだ。
ふと、昔を思い出した。
それを知ってとてもイライラしてきたので、今日は無駄な人生とは何かについて考えたいと思う。
始めに結論を言うと、無駄な人生は無いしどんな出来事にも意味はある。
人生は、自分自身になるためにある。
人々が努力して社会が豊かになりやることが無くなってきた今、我々人類は転換期にいる。
昔はマンモスを狩るだとか、戦争で祖国のために命を投げるとか、人生を賭ける大きな存在があったが、食べ物に恵まれ安全が保証され娯楽が溢れる今、豊かさが却って心に大きな穴を空けてはいないだろうか。
豊かになって、「これをしていればいいや」「これのために頑張ればいいや」という目先の目標が無くなってしまい、すがるものが無いので人は"自己啓発"に傾倒していく。
この世は、私が私になるところ、あなたがあなたになるところ。
何故そうなのかという根拠はないが、幸せな人の十分条件として、彼らは自分の人生を生きている。
極端に言うと、24時間ゲームをして引きこもっている時間も、誰かを羨ましいとか妬ましいとか思いながら枕を濡らす時間も、全てに意味がある。
過去があるから今があり、今があるから未来がある。
どんな時間も、あなたを作る大切で価値のあるものなのだ。
辛いことや悲しいこともあったけれど、それがあったから今の自分がいるんだし、今の延長線で未来の自分はできていく。
自己啓発と自分自身になることの違いは、他人への信頼があるかないかである。
社会に頼れない、何もすがるものがないから自分がしっかりしなければ、というのが自己啓発。
自分自身になるというのは、人との関わりの中で自分に価値を見出していくことだと私は思う。
The nightsの父役が言いたかったことは、「自分自身になるために人生を無駄にするな」ということだと思う。
他にも歌詞の中で、「冒険しろ」「生きててよかったと思えるように悔いなく生きろ」と訴えている。
私の父の場合は、「勉強して大学に行くことが幸せだ」という偏見を押し付けているだけである。
彼はきっと、自分の人生に自信がない。
自信がないから、自分の価値観を他人に押し付けて自分を守っているに過ぎない。
小さい頃、他人の生き方を押し付けられてきたから、自分らしい生き方というものを、彼は知らない。
ということで、私はこれからもアヴィーチーのThe nightsを聞くし、私は私の人生を生きていく。
社会に適応すること、周りと同じ生き方をすることが正しいとは限らない。
10人いれば10通りの、7億人いれば7億通りの人生がある。
これを読んだあなたは、どうやって生きていく?
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