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M-1グランプリ2021 1回戦の最高だったネタ①

1回戦上位3組の中で特に気になった漫才師の備忘録
※素人の偏見で好き勝手なことを言っているので気をつけてください。

エバース(8/4 東京)

今日までにアップされた動画の中では1番衝撃的だったコンビ。神保町漫才劇場には行ったことないけどバトルライブで1位をとったことだけ知ってて、どんな漫才をするのか前から気になってた。

最初のツッコミからめちゃくちゃ引き込まれた。「おいカッコつけんなお前」文字にすると別に普通のツッコミなのに、音程とテンポがバッチリハマっていた。マジでここだけでも見てほしい。出てきてから最初のボケツッコミまで30秒くらい経っていて、若手の賞レース予選にしては遅い出だしだったにも関わらず、ここから「面白い漫才が始まる」という予感をものすごく感じた。ツッコミの度に2人が顔を見合わせてるのもテンポ感の演出なのかな?

このテンポとツッコミの人の天性のトーンのおかげで、長文のツッコミが無理なく頭にすらすら入ってくる。またツッコミの内容がすごい。ボケの内容を客が期待した通りに処理した後に、その期待を上回るキラーフレーズが飛んでくる理想的なツッコミ...

「俺今可愛い芸能人の名前言おうとして阿部慎之助って言ったよ!」「じゃあ病院行けよ、今すぐメガネかけた方がいいよ」「メガネかけた方がいいの?じゃあヤクルトの古田!」「だから野球の話終わってんだよ!」「いや古田メガネかけてるじゃん!」「俺今阿部慎之助が裸眼だから怒ってるわけじゃねえんだよ!」

特に感動したくだりを思わず文字起こししてしまった。凄過ぎ。ただのフレーズじゃないから、本当はキラーフレーズとも呼びたくない。

今回のこの裸眼の下りは凄過ぎる。ボケを補助するんじゃなく、ツッコミが自分で新しい笑いの軸を作り出している。「古田はメガネをかけている」という主張はどう考えても「メガネかけろ」というツッコミに対してのただズレた反論だし、お客さんも全員そう思ったはずだ。僕も思った。これに対してのツッコミは「お前がメガネかけろっつってんだよ!」でいいし、このハイテンポな掛け合いの中ではお客さんももちろん笑うと思う。

そこを完全に超えてきた。ツッコミが「この男は、自分が阿部慎之助が裸眼のキャッチャーだから怒ってると思い、そこで古田の名前を上げてきたのだ」と解釈している。この発想の逆転ってどっから出てくるんだろう。ボケを先になんとなくイメージして、そこからツッコミを考えていかないと絶対に出ない気がする。思いつくまでにどこまで試行錯誤したんだろうか。そもそもこの高度なやりとりを、M-1予選を見にくる訓練させたお客さんとはいえ、一瞬で理解させている言葉選びが凄過ぎる。ツッコミから一瞬だけ遅れて波のようにウケていくのめちゃめちゃ気持ちいいんだろうな...

あとTwitterにも書いたけど、この漫才を見て数ヶ月前に解散したういろうプリンのことを思い出した。ツッコミが予想を超えてくる感じ、ツッコまれたあとのボケのなんとも言えない表情がよく似ていた。泣きそう。帰ってきてくれよ........

↑このネタの2:18凄過ぎる

試験が終わったら絶対神保町行こ〜と思った。


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