日記 8/2 ルームシェア

中学校の友達が、最近3人でルームシェアをはじめたというので、一昨日邪魔しにいった。
総武線沿線徒歩3分のボロアパート。「○○マンション」と入り口には書いてあったが、日本でマンションとアパートの基準が曖昧なことを利用した優良誤認だと思う。
家賃を聞くと、月3万らしい。
1人1万!
あまりにも破格すぎる。
どうやら友達の知り合いが貸している部屋で、そのおかげでやや値引きされているらしいが、さすがにびっくりした。
サーファーが夏の間だけ仲間うちで借りる海沿いのヤリ部屋より安い。(そんなのがほんとにあるか知らないが、僕の好きなTinderばっかりやってる性欲が強い女のツイートに出てきた)

入ってみると、外見どおり壁や床は汚かったし、畳がやや荒れていたが、3万と思えばなんのことはないくらいだった。
驚いたのが、入居して2週間で一部屋をまるまるジムに改造していたことである。なんか懸垂用のぶらさがるやつ、ベンチプレスのやつ、アブローラーが置いてあった。
言うまでもなくここはまあ狭く、部屋はリビング、和室(寝室)を除くとジムに改造されたこの部屋しかない。本来ならプライベート用に使いたいであろう場所を、なぜすっかりジムに改造してしまったのか。

3人のうち1人は昔からムキムキマッチョだが、他の2人は別にそんなことはない。エレクトーンやホルンを嗜む、筋肉からはイメージが程遠いやつもいる。そいつに聞くと、「俺らも鍛えたかったから、ムキムキマッチョの持ってるトレーニング道具を持ってきてもらった」とか言っていた。彼は僕に話しているようで、どこか自分に言い聞かせているようだった。おそらくムキムキマッチョのマッチョに気圧され、無理な要求を通されたんだと思う。ムキムキマッチョがムキムキマッチョを利用して非ムキムキマッチョを脅し、そうして得たトレーニングルームでさらにムキムキマッチョになっていく悪循環が生じている。富めるものはますます富む。資本主義社会の縮図を見て具合が悪くなった。


夕飯にチャーハンと唐揚げを振る舞ってもらうことになった。(この日はムキムキマッチョのチートデイだった。もし違う日だったら僕も鳥ささみだのブロッコリーだのダルビッシュみたいな食事を摂ることになったに違いない。)唐揚げを作る段になって、使い終わった油を貯めておくやつ(名前がよくわからない)がないことに気づき、みんなで買いに行くことになった。なんだか、生活が作られていくところを観察している感じがしてうれしかった。近くのホームセンターに行くと、ペンギンの形をしたかき氷機が売っていた。気分が良くなっていた僕は、その2000円くらいのかき氷機をシロップ・練乳と一緒に引越し祝いにプレゼントすることにした。

そのあとサンマや鴨スモークをつまみに、ゲームをしながら終電まで飲んで帰った。泊まって行くよう勧められたが、エアコンがなかったからやめた。家にあったハーゲンダッツをおみやげにもらった。エアコンがない部屋にハーゲンダッツはあるのかなり面白いと思う。
終電ギリギリの時間に家を出てしまったので、帰り道は世田谷一家殺人事件の犯人と同じアイスの食べ方をしながら急いで帰った。楽しかった。エアコンが設置されたら今度は泊まろうと思う。

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