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支援学級の家庭科は麦茶作りから

麦茶作りは繰り返し学習にぴったり。


支援学級で麦茶作りをすると色々と捗ります。特に高学年では協力学級での調理実習との相乗効果が見込めて良い感じです。その辺をあれこれ書いてまとめます。


麦茶作りをする利点

調理実習の基本を学べる

道具を出す→麦茶を作る→食器(コップ)を出す→美味しい→片付け

この流れを学べます。麦茶はその気になれば毎日のように作れるので、毎日準備片付けを繰り返すことができます。いつの間にか洗い物の達人になれます。

家庭科の調理実習だけだと、1年間に片手で数えられる程度しか調理の経験を積めません。そこで麦茶作りを日常的に行うことで、理解に時間がかかったり自信が持てなかったりする子でも経験を積み重ね家庭科室のプロに育つことができます。洗い物も台拭きも完璧。こういうのは体で覚えるのが一番です。


家でも作れる

容器やヤカン等に水と麦茶パックを入れるだけなので、覚えた子ども達はすぐに家で実践できます。実際子ども達は「麦茶パックはどこで買えるの?」などと聞いてきます。コンビニで売ってるよと教えれば、もうその日のうちに買ってしまいそうな勢いです。

こんなに簡単な工程で家族に喜んでもらえるのですから、子ども達の好奇心と承認欲求は大きく刺激されます。いや実際大事だと思うんですよ、家族のために麦茶を作る技術って。技術というか姿勢ですね。家族の一員であろうとする姿勢こそ家庭科としても特別支援教育としてもポイントだと思います。


夏休みの宿題に

夏休みの生活表。よくあるアレです。そこには勉強のめあてとか生活のめあてとかを書き込む欄がよくあるのですが、その生活やお手伝いといった欄に「麦茶を作る」と書くんです。筆算を10回やるよりもよほど人生に影響する宿題なのではと思います。

麦茶を作ろう。味噌汁を作ろう。支援学級の夏の宿題に家庭科を絡めるのは、お子さんにもよりますが効果的だと思うんですよね。

特に麦茶作りはご家族の反響も良いです。


協力学級との連携

調理実習で麦茶をふるまう

協力学級で年に何度か行われる調理実習。多くの場合、支援学級児童も参加すると思います。

そこで、調理実習がある日の朝に支援学級のメンバーで大量の麦茶を作り家庭科室の冷蔵庫に入れ、調理実習で食事を作っていざ食べるというタイミングで協力学級の子達に飲んでもらうんです。良い顔しますよ、支援学級の子達。協力学級の子達もあれこれ話しかけてくれるんですよね。美味しかったよとかありがとうとか。幸せな時間です。

30人を超える学級でも、ヤカン3つか4つ分の麦茶を作って冷蔵庫に入れておけば、十分に足りるどころかおかわり祭りです。


支援学級に遊びに来た子にふるまう

これは小規模校での実践。高学年の女の子2人の支援学級を担任した時のものです。同学年の協力学級も10人に満たない本当に小規模の学校でした。

支援学級でもできることがあまり多くはない子達でしたが、毎朝2人で麦茶を作って支援学級内の冷蔵庫に入れておき、その日の休み時間に支援学級に遊びに来た通常学級の子や他の支援学級の子にふるまうという活動を日常的に行いました。とても好評でした。

協力学級の女子達は「生き返る〜」とリラックスして女子トークに花を咲かせ、低学年の支援学級の子達は2人にとても懐きました。当の2人もその時間はいつもニコニコ笑っていました。

これもまた一つの人間関係づくりになったのかなと思います。その女の子2人は家でも家族に麦茶を作り、その他の様々な調理にも興味関心を加速度的に持っていきました。

この実践はよほど条件が合った状況でしかチャレンジするのは現実的ではないと思うので、今後やることはおそらくないと思います。ですが、思い出深い実践です。


おわりに

・簡単な工程なので繰り返し行える活動である
・美味しいので自分も人も喜べる

この辺が麦茶作りの利点。やはり教育は繰り返しから学ぶものであり、支援学級の場合は特にそれが顕著だと思うのです。


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