4月25日(1998年)嬉しくて嬉しくて嬉しくて

まずはチケットの確保から始まる。
改修前のカシマサッカースタジアムビジター側は、細長いエリアに押し込まれ、キックオフまであまり身動きも取れない。来たくても来れなかったも数多くいるはず。勝ちたいという気持ちは、自然と強くなる。
戦績は全く伴わない宿敵、鹿島。
噛み付くことは出来ても食い千切ることなく飲み込まれてしまう。圧倒的な強さは感じないのにいつも負ける。

ところが。

伸二が決める、大柴が続く。
もしかしたら、もしかしたら。
ヤバいくらいにテンションが上がる。
追いつかれるんじゃないかという不安に苛まれながら、声を張り上げる。
3点差に広がっても、これで大丈夫とは思えなかった。アルフの退場で10人になると、鹿島の恐ろしさを何度も体験させられた身にはもう、余裕は全くなかった。
1−4、勝利。
嬉しくて嬉しくて嬉しくて。
嬉しくて嬉しくて嬉しくて。
歴史の証人になった気分だった。
海岸側を迂回して高速に乗る。鹿のステッカーが貼られた車を見かけるたびに、顔がニヤけて仕方がなかった。おそらく渋滞に巻き込まれていたはずなのに、その記憶が残っていない。

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