見出し画像

カイジを真面目に考察したら、QuizKnock伊沢の正体が分かった

昔読んだ漫画に刺される

ぼっち大学生の夏はヒマだ。そういうわけで、通算5回目くらいの「カイジを既刊まで読む」をすることにした。現在は約80巻くらい出ている。

「カイジ」シリーズは1996年から連載しているギャンブル漫画で、手に汗握る熱い駆け引きが繰り広げられる。現在はネタ切れで低迷している。

第一話はカイジのクズエピソードから始まるのだが、カイジと同じくらいの歳になった今だとすごく刺さるのでやめてほしい。大学入ってからびた一日働いていないし、カイジ通読するくらいオワっているから。

カイジを初めて読んだ中学生のときは「カイジクズだな~」ぐらいの解像度だったのに、この歳になって予想外の攻撃を食らってしまった。
「子供の頃よく分からなかった作品が、大人になってすごく共感できるようになった」みたい話はよくあるが、最悪なモノを引いた気がする。



そんなこんなで、カイジの名物ゲーム「鉄骨渡り」まで読み進めた。

カイジ未読勢に説明すると、「ビルに架かってる鉄骨を渡りきると金が貰える。落ちたらそのまま死ぬ」というものだ。駆け引きも何もあったもんじゃない、作中屈指のクソゲーである。

中でも有名な佐原の死亡シーン。鉄骨を渡り終えた佐原という人物が、ゴールの扉を開いた瞬間、扉側から突風が吹いて落下してしまうというもの。

この風の正体について、作中では「気圧差による突風」と説明されている。ビル内の気圧が高く、外の気圧が低かったため強烈な風が吹いたようだ。

気象庁の定義では「風速40m/sほどで樹木・電柱・街灯が倒れる。ブロック壁が倒壊する」らしい。佐原のぶっ飛び描写から推測するに、そのくらいは吹いているんじゃないかと思われる。


…いや、そんな強い風吹いてたの?

と、思って本当に気圧差だけで40m/sの風が吹くのだろうか確かめてみることにした。

一応高校で三年間物理を学んだし、学部一年とはいえ理系大学生だ。それなりに計算できるんじゃないか?

という希望は無残にも打ち砕かれるわけだが、どうか最期まで付き合ってほしい。

気圧を求めよう

10m上空にいくごとに気圧は10hPa低くなるので、鉄骨の高さが分かれば、上空の気圧が求められる。高さの描写がないか読み返してみる。

丁寧に”地上74メートル”と記載がある。めちゃくちゃ親切だ。さっきはいきなり刺してきたのに一転して優しくなったのでDV彼氏みたいで怖い。
これで上空と地上の気圧差が7.4hPaとなった。ビル内の気圧が地上と同じ気圧に管理されていたとすれば、ビル内と上空の気圧差も同様に求まる。


しかし、ここで手が止まる。気圧差が求めたのはいいが、ここから風速や風力を求める方法を知らない。高校で習った気圧関連の式は役に立ちそうもなかったので色々ググってみた。

気象学に気圧傾度力、建築学に換気量という概念があったが、どちらも正しく扱えそうにないし、計算が複雑だ。風の動きということもあって、コンピュータシミュレーションしないと分からないのかもしれない。とりあえず、自分で計算することは諦めた。

理系大学生と言っても所詮は学部一年の雑魚、身の程を知った。


制作・著作
━━━━━
ⓃⒽⓀ

と、したいところだが、ここまで調べるのに10時間近くかかってしまった。もう引き下がれない。

QuizKnock伊沢の正体

調査(ネットサーフィン)をしていると、QuizKnockの伊沢さんが連載している記事に興味深いものが見つかった。

「オールバックになるにはどれくらいの風が必要なの?」という『強風オールバック』の歌詞に基づいたネタ記事だ。

トレンド曲×物理という組み合わせで、エンタメに昇華させているのは流石である。こちとらカイジ×高卒知識だというのに。

風、強すぎてお亡くなり

この記事の結論としては「地下50mにある家で外に出ると気圧差で40m/sの強風が吹き、オールバックが完成する」とのことだ。
僕のやりたかったことと全く逆のことをしている。

これの逆が成り立つのかはわからないが、鉄骨のある高さは余裕で50mを超えているので40m/s以上は吹いてると考えられる。

結論、カイジの鉄骨渡りの描写は正しい…


かもしれない

歯切れが悪い。というのも、元記事の方ではどういう計算で結果を求めたのか書いていないため、カイジ側の計算を確かめることができないのだ。

まさか適当に雰囲気で書いたんじゃないだろうな…

この記事について伊沢さんはX(旧:Twitter)で記事のポスト(旧:ツイート)を引用(旧:引用RT)する形で、このようにポスト(旧:ツイート)していた。

今週の#伊沢拓司の低倍速プレイリストです。過去一で検証時間かかりました……オールバック帝国を築こう。

過去一検証時間がかかったと言っているので流石に雰囲気で書いたわけではなさそうだ。
あと、カイジの本名伊藤開司と伊沢拓司って文字が50%一致していることに気づいた。

くだらない話はさておき、検証時間がかっているんだったら過程教えてくれない?と思ってしまう。

ここでふと、高校の記憶が呼び起こされる。
物理の模試の解説を見ていたときのことだ。

問題解説に「易しいので省略」と書かれていたのだが、「それを解説するのがお前の仕事だろうが」と心の中でキレた覚えがある。

だが、これは模試側からするとやむを得ない事情がある。紙面は無限ではないため、簡単な問題の解説で埋めてしまうのは勿体ないからだ。

しかし、伊沢拓司の場合は逆だ。ほぼ無限に書けるネット記事に、難しい問題の解説を省略しているのだ。より憤りを感じてしまう。

つまり、伊沢拓司の正体は半・カイジであり、逆・模試の解説なのかもしれない。知らんけど
そんなことを考えていたら夏休みが終わったわ。

余談

ブシロードがカイジの"気圧差の突風カード"を売ってるのをみつけた。
誰が買うんだよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?