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AFRICA/ヒーロー*アンチヒーローへの旅

😂持続可能な開発目標(sdgs)の実現と発展に向けて新たな一歩を踏み出したかに見えるアフリカの夢と希望をぶち壊すかのようにここに来て再びアフリカの紛争/テロが増加している。
欧米主要メディアが伝える紛争以外に、世に伝わらない対立/戦いが大陸の至るところで噴き出している。それはつまり、貧しさと苦しみの中、世界の誰からも知られることなく表舞台から退場させられていった人間たちの声なき叫びでもある。
アフリカ紛争ジャーナリストを名乗る(self claim)私はそうした〝パワフル〟な叫びを求めてアフリカ紛争地帯をカメラを手に彷徨ってきた。
そこで出会ったのが、そうした悲劇をつくり出し、光と闇を操ってきた多くのカリスマ、〝悪党〟たちだった。たとえすぐ側で子どもたちが飢えで命を失くそうが、女たちが犯されようが、男たちはただひたすら戦いに熱狂する。
〈悪党〉〈殺し屋〉〈corrupt腐敗〉、さらに〈金亡者selfenrichment〉などなど、罵詈雑言が欧米メディアから浴びせられる。
だが時が経ち視野が広がるにつれ違った景色が見えてくる。
彼らもまた何か見えない力によって操られた〈犠牲者victim〉だったということだ。
それぞれの光と闇の濃淡は別にして、彼らもまたやがて〝退場〟させられてゆく運命を背負った存在だったということを知らされる。
裏切り、暗殺、病、死...、彼らもまた〝システム〟の犠牲者であり、操り人形puppetに過ぎなかった。ごく簡単に言えば、システムとは欧米が作りだした支配、搾取の構造だ。今なおこのパターンは生きている。

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これは、ほとんど日本メディアからは無視されてきた(日本にそうした情報ニーズもマーケットもない)、しかしアフリカ紛争の〝世界的global-headline〟ヒーロー、アンチヒーローたちに逢いに行く道程ーー金、情報、人脈ネットワーク、安全etcについての個人的な旅の話しだ。
登場人物、私が直接逢った人間は以下である。
●ネルソン・マンデラ(南アフリカ)
南アフリカ大統領。1990年5月、解放3か月後、ヨハネスブルグ郊外、Sowetoソウェトの自宅直撃。監禁生活から来る疲労感は見られたが、ボディガードからリクエストされた若くて美人のインタビュアーを用意したからか、身体全体に疲れがみえながらもつとめて笑顔で対応してくれた。マンデラ氏取材の許可を得るためにANC(〝アフリカ民族会議〟、反アパルトヘイト闘争を展開、ネルソン・マンデラ氏はそのリーダー)本部を訪ねた時、マンデラ氏の護衛リーダーのLから、お前みたいイカツイ野郎がインタビューするよりも、彼(マンデラ氏)は、若くて美人、チャーミングな女性が好きだから、そういう女性を探した方がいいとアドバイスされた。〝なるほど、そりゃそうだ〟と納得したオレはすぐに探した。運良くイギリス人の若くてスマートなジャーナリスト志望の女性が見つかった。〝つとめて〟という以上に、ごく自然にマンデラ氏から、笑顔がこぼれ明るく対応してくれた。インタビュアーをつとめた彼女も光栄に震えながら一生懸命話しを聞いていた。とくに彼女にお願いした話しの核は〝27年間の監禁生活を耐え忍び支えたものはなんなのか〟、それを聞いてもらうことだった。マンデラ氏の答え、それは〝信念〟だった。
オレは現地で雇ったカメラクルーとともに約1時間半、マンデラ氏のインタビューをとった。
心から感謝の気持ちを伝えマンデラ氏とクルー全員で記念写真を撮ろうとしていた時、奥の部屋から一人の女性が現れた、最初からどうしているのだろうか、と気になっていたマンデラ氏夫人でともに反アパルトヘイトを闘ってきたウィニー・マンデラさんだ、笑顔の彼女も加わってテーブルを前に写真を撮った。
南アの歴史はその後劇的展開を見せアパルトヘイトは完全に崩壊、マンデラ氏がはじめての民主的選挙によって大統領に選ばれた。
インタビューから2年たった1992年末、一台の小さなビデオカメラを持って私は内戦と飢餓に揺れるソマリアへ飛んだ。それから立て続けに〝アフリカ紛争ジャーナリスト〟(そんなジャンルはないが)としてルワンダ、コンゴ、スーダン、そしてアンゴラへとアフリカ紛争地取材を続けた。
解放直後ソウェトの自宅で身体を休めていたネルソン・マンデラ氏取材は、オレがアフリカ紛争ジャーナリズムへと踏み出していった大きな第一歩だった。

●次稿(予定)です、、、
★ジョン・ガラン/SPLAスーダン人民解放軍最高司令官(1995,2005/南スーダン)
★ジョナス・サビンビ/UNITAアンゴラ全面独立解放運動リーダー(1994/ファンボ:アンゴラ)
★ユスフ・クーワ/ヌバ解放軍司令官/スーダン人民解放軍SPLA-North(ナイロビ:ケニア)
★シェイク・シャリフ/ソマリア大統領(2009/モガディシュ:ソマリア)
★ピエール・ブヨヤ/ブルンディ大統領(1996/ブジュンブラ:ブルンディ)
★エリジャ・ホントップ/SSIA南部スーダン独立軍(1993/アヨド:南スーダン)
★サルヴァ・キール/SPLAスーダン人民解放軍参謀長(当時、現南スーダン大統領)(2005/ルンベック:南スーダン)
*日本ではほとんど知られてませんが、みな、世界的ニュースのベッドラインを飾れるくらいのヒーロー・アンチヒーローたちです。
*なぜ〝オレ〟なのか、、、日本語の〝僕〟〝私〟では語れないタフな世界です、〝オレ〟以外見つかりません。