ビリー・ブランクスのTAEBOタエボー(ブートキャンプ)の覚え書

★ビリー・ブランクス、タエボーについて

ビリー・ブランクスといえば日本ではビリーズブートキャンプの印象が強いのだが、元々タエボー(TAEBO)の人である。ビリーズブートキャンプもタエボーにブートキャンプ(軍隊の新人トレーニング)要素を入れたというのが正しい。「ビリー隊長は厳しい」とか、ハートマン軍曹のイメージと混同されてる。

タエボーは格闘技トレーニングと言われたりすることもあるけど違う。パンチやキックはあっても、格闘技のものとは本質的には違ってて、あくまでエクササイズ。筋肉を動かす・伸ばすことを意識しよう。特徴としては8回1セットで数セットを繰り返す。あまり難しいコンビネーションはないので、とっつきやすいところが良い。

動作ごとで止まる(その間足踏みはするように言われるが)のでカーディオとしては弱め。心肺機能強化という意味では走った方が早い。筋肉を肥大させるならウェイトトレーニングが良い。じゃあ、なにが良いかというと、全身の筋肉を色々使って、室内でそれなりの運動ができるというところ。体質改善、健康増進目的にちょうどいい。減量目的なら他の運動や食事制限と組み合わせる必要がある。タエボーに限らずそれだけで痩せるというものはないはずだ。

毎年シリーズをリリースしていて、それごとにバンドを使うだとか棒を使うだとか特色を付けている感じである。基本の動作は同じ。

★注意点

・無理にそのとおりの動作をすることはない。ビリーも後ろの人たちも運動しなれているし、体もすごく柔らかい。膝などの関節を痛めるので、無理は厳禁。速い動作のパートも1,2テンポ遅れるくらいでちょうどいい。特定の筋肉を追い込むものについては3,4セット目は無理にやらなくてよい。

・最初は十数分程度でじゅうぶん。運動していなかった人だと、はじめのストレッチとアップだけで息が上がってくるだろう。日本でのうたい文句に7日間集中ダイエットとあったが、本国版では1か月が推奨されているようだ。なんでこんなひどい改変をするんだろうか。とにかく続けることが重要なので、嫌にならないうちにやめる。徐々に慣れていくから問題ない。逆に言うと、筋や関節を痛めたというのでなければ、筋トレみたいに休養日をもうけずに毎日やっていい。むしろ休まずにやった方が続けやすいと思う。

・寝っ転がったり、膝をついたりするので、ヨガマットがいる。そうでなくても、騒音防止や床の保護のためにあった方がよい。立った状態での動きが多いので、厚手のクッション性が優れたものよりも、薄手で滑りにくいものを。

★DVD紹介

手持ちのDVD紹介。ぶっちゃけ、どれもそんなに変わらない。現在入手困難なものが多いが、わざわざプレミア価格で購入する必要はない。ただ、たくさん持っていると、一個ずつやっていくだけでも飽きずに長期間のプログラムが組めるので便利ではある。YouTubeで公式に昔のプログラムがいくつか配信されているので、それを利用してもいいだろう。

リージョンコードが「1」(北米)のものと「ALL」のものとが混在している。同じタイトルでも生産時期による違いもあるようだ。ひどいものだとパッケージに「1」とあって中身が「ALL」だったこともある(逆でないだけまだましだが)。日本語版やリージョンオールと明記されていない限り「1」と考えた方がいい。また、英国版は、日本版や米国版(NTSC方式)と違って、ヨーロッパで一般的なPAL方式になっているので、これも対応するプレイヤーでないといけない。ぱっと見では米国版との区別がつきにくいので要注意である(下に挙げた中ではTae Bo Ultimate Collectionがそうだ)。

日本語吹き替え版は、ブートキャンプエリートと令和版ブートキャンプのみ。日本語字幕はいくつかあるが、現在中古市場に出回っているのはブートキャンプぐらいのものだろう。大半は英語版ということなる。だいたいわかるけど、一つ二つは日本語版で注意点を学んでおいた方がよい。字幕だと動作によっては画面を見にくいので出来れば吹き替え版を推奨。

・ビリーズ道場 脂肪燃焼編1 36分 (日本語字幕) 

原題はCardio Circuit 1でカーディオとサーキットトレーニングを意識したもの。ただしサーキットトレーニングといっても筋トレ要素はあまりない。そういう意味では日本語タイトルの脂肪燃焼編というのは間違っていない。器具は使わず、短めながらもバランスがよいプログラム。ストレッチをしっかりやるのもよい。オススメ。

脂肪燃焼編2 52分 (日本語字幕)

時間数が増えたが、インターバルがゆるめなので、1と比べてそれほどハードではない。集中してやりたいのか、長めの時間やりたいのか、その日の気分や体調で使い分けたらいいだろう。

引き締め強化編 45分(日本語字幕)

中盤でビリーバンドを使う。前後はバンドなしで時間にして半々くらい。バンドの説明について下記のブートキャンプの箇所を参照。ブートキャンプとの違いはこちらは筋トレの動きではなくカーディオの動きをバンド付きで行うことである。

・TAEBO POWER ROUNDS

全体をボクシングのラウンド数のように区切ったシリーズ。8・12・20・30がある。ラウンドの時間は1分が目安だが、ストレッチでは3分くらい、短いものだと数十秒で適当。単純な動作を長めにやる。インターバルが長めでゆるい。そのためだけのラウンド結構ある。初心者にオススメ。

12POWER ROUNDS ラウンド数が12で時間としては約20分 慣れてくると物足りないところで終わる。軽く運動したい時用。

30POWER ROUNDS ラウンド数30で、時間としては約35分 長いものだと一つの動作を3ラウンドやったりするが、途中にインターバルが入るのでそれほどきつくない。動作の種類は上のとさほど変わらない。

・TAEBO CAPTTURE THE POWER ウェイト入り(300gくらい?)のゴムボールを両手に持って負荷として使うシリーズ ボールは現在入手できない。代用品としてバッティング練習用の砂鉄入りのゴムボールがそれっぽい。

STRENGTH 約45分 ボールを使うが負荷としてはほとんどない。握る動作をして引き締め効果を狙う感じ。早い動作もあるが、ゆっくりめやその場で動かない動作が多め。フィニッシュで動きを止めて8カウントも多い。カーディオや筋トレとしては弱いが別種類のきつさがある。ストレッチもかなり長め。

POWER 約45分 ボールを使う。上のものとは違いフィニッシュで動きを止めるは無し。その代わり変わったコンビネーションが多い。セット数が少な目でインターバルも長めなのであまりきつくはない。前述のように変わったコンビネーションが多いので他のタエボーになれている人ほど間違いやすいのが難点か。ストレッチは長め。

・ビリーズブートキャンプ (日本語字幕)

ビリーバンドというゴムバンドを使う。類似品はたくさん売っているので、DVDだけを中古で入手してもいいだろう。
日本で大流行したものだが、タエボーの中ではトップクラスにキツイ。大量の挫折者を出し、続編のセールスがぱっとしなかったようであることから不幸な出会い方だったように思う。初心者にはオススメできないので、最近出たマイルドな令和版の方か、次のブートキャンプ・エリートがよい。

基本プログラム 55分 ストレッチに腕立て伏せが入ってたりとなかなかハードである。ビリー隊長の言うように最初は膝をついてのものでいいだろう。というか、ストレッチなんだから慣れてきてもいきなり負荷をかけるべきではないと思う。中盤からビリーバンド付きになるが、これも最初はほんとに無しでいい。最後の方にはグランドでの腹筋もある。【追記】慣れてから何度か挑戦しているのだが、どうも膝を痛めやすいように思う。膝があまりよくない自分としては応用プログラムともども封印した。

応用プログラム 55分 構成は基本と変わらず、よりキツくなった。これを3,4日目にもってくる日本語版は正気の沙汰ではない。

腹筋プログラム 35分 バンドは使わないので楽め。なようで、各種腹筋をきっちりやるとキツイ。腹筋プログラムとしては優秀なように思う。【追記】ほかにも腹筋プログラムはあるが、これをやったとき一番効いている感がある。

最終プログラム 31分 ライブバージョンで短め。前半は切り替えこそ早いものの早い動きがワンセットのみで楽。後半からはバンドを使ってセット数も多めになってきつめ。最後はグラウンドで腹筋を1分。ブートキャンプの中では腹筋プログラムとともにおすすめ。

・ビリーズブートキャンプ エリート(日本語吹き替え版あり)

「エリート」とあるといかにも上級編のようだが、エリート層向けということらしく全体的にマイルドになっている。筋トレ要素が多めな点は同じ。ニュービリーバンドとなって、持ち手のところに重りが入るようになった。だが、負荷としてはあんまり変わらないし、ジョイントのところが皮膚に当たって痛いので、前の方がいい。今でも(2020年9月現在)米国版の新品が購入できる。新品といってもバンドがすぐにちぎれたというAmazonレビューがあったので、当時作り過ぎたものが残っているのだろうか。

ミッション1 約40分 前半はバンドを使わずに後半以降から。ゆったりめながら、バランスがよいプログラム。+約8分のボーナストラックは基本動作の確認。1回やれば十分。

ミッション2  約40分 最初からバンドを使う。アップとインターバルを除きずっとバンドありはキツイ。あのシェリーがきつそうにしているくらいである。軽めのハンドウェイトで置き換えるくらいがちょうどよいか。+約8分のボーナストラックは鉄アレイを使ったプログラム。

ミッション3 約28分 腹筋集中プログラム。最初からバンドを使うが、腹筋に対する負荷としては弱いのであまりきつくない。後半のグランドではバンドがむしろ補助になっている感がある。+約8分のボーナストラックも腹筋編。こちらはバンドを使わないタエボーの普通の腹筋プログラムになっている。バンドがあるとやりにくいと思う人はこっち。

以上の3つが基本セット。

8 Minute Supercharge Cardio (日本語吹き替え版あり)8分間のカーディオで切り替えが早い。野外ライブ。バンドは床に置いてあるのだが使わない。日本語版では基本セットに付いてくる。

Spot Training: Lower Body (日本語吹き替え版あり)27分 下半身強化プログラム バンドを使わない。スクワットやランジが多め。キツイのだが腿など大きな筋肉を使うので、それほど後に残らない。後半はキック。最後はグランド。

Spot Training: Upper Body  27分 上半身強化プログラム バンドを使わない。後半からは鉄アレイを使う。ミッション2の前半25分くらいが上半身ばかりなので、それで代用できる。そのせいか日本語版もなし。ミッション2よりは軽めなので使い分ければよい。

FAT BLASTING CARDIO  45分 バンドを使わないカーディオプログラム。旧来のタエボーの動き。筋肉への負荷は軽めだが、最初のアップの5分を除き切り替えが非常に早くノンストップで最後まで進む。慣れてくると爽快なプログラム。

BILLY BLANKS FAVORITE MOVES  43分 バンドを使わないノリノリのカーディオプログラム。上のものよりは少し緩め。一部グランドもあって筋肉を追い込む動きもある。おススメ。

・令和版ブートキャンプ(日本語吹き替え版)

15年ぶりの復活。ビリーはあいかわらず元気そうである。吹き替えの小杉十郎太さんの方がちょっと心配なくらい。セットが狭くしょぼいのが悲しい。一回あたり30分強程度になった。基本的に器具は使わずに、一部のものでダンベル代わりのペットボトルや椅子を使う程度である。時間が短めになったせいか、前後のストレッチがあったりなかったりする。

DAY1脂肪燃焼 脂肪燃焼というよりは入門編。ゆるめのペースで、キックや単純なコンビネーションもあるが、基本的な動作が多い。中級者以上だと確実に物足りなくなるだろう。

DAY2お腹の脂肪燃焼 無印ブートキャンプの腹筋強化プログラムと同じような感じ。最後の10分弱がグランドになる。この時間とペースでも十分キツい。腹筋強化であって、脂肪燃焼効果はあまりないだろう。

DAY3脚&お尻 エリートの下半身強化と同じような感じ。スクワットやランジを多くするので、やはりこの時間とペースでも十分キツい。

DAY4二の腕&上半身 上半身強化プログラム。重りやバンドの負荷なしだと楽である。キツいのは中盤にある腕立てくらい。

DAY5脂肪燃焼&お尻 前半はカーディオ系。後半からグランドでの脚上げ系の引き締め。後半はキツい。

DAY6二の腕withペットボトル 二の腕だけなく腕、肩全般の強化。500mlのペットボトルを二つ、ウェイト代わりにする。筋トレ要素が強いが、負荷が軽めなのでそこまでキツくない。

DAY7お尻&脚with椅子 椅子を補助に使った下半身強化。最後にちょっと腹筋トレーニングがある。補助があるぶん、バランスをとりやすい。DAY3やDAY5よりもこちらを先にやった方がいいかもしれない。

以上7本で引き締め系が多い感じだろうか。本格的なカーディオがないのが欠点だが、それは他のTAEBOで豊富にあるのでそっちをやればいい。

・TAEBO AMPED

アンプファイアなる棒を使ったタエボー。ビリーバンドよりも負荷としては軽めだが、一つの筋肉を追い込む動作が多めのプログラムなのでそれなりにキツイ。アンプファイアは長さが変えられるウェイト入りの棒で現在は入手できない(類似品もない)。ロック機能が甘く伸ばした状態だと不安定になるのが難だが、変わった感じでトレーニングできるのはgood! ハンドウェイトで代用してもよいが、タオルをピンと張って使うのもよい。日本語字幕版もあるが、あまり売れなかったのか中古でも見たことがない。

JUMP START CARDIO 41分
FAT BURN ACCELERATOR  52分  
FULL THROTTLE  55分

基本的には一緒。セット数がそれぞれ2,4,8となっている。こう書くとFULL THROTTLE が一番きつそうだが、8セットの動作の前後で楽めの動きを2セットくらいでやるので、続けざまに4セットの動作が続くFAT BURN ACCELERATORとどちらがきついがは微妙である。そのせいか日本語版ではFULL THROTTLE の方が二番目のプログラムになっている。いずれも時間のわりには上半身が多めなのはバランスが悪いように思う。ボーナストラックは基本動作の確認でどれも同じ。

CORE EXPRESS  約30分 日本の販売サイトには腹筋編とあったが、上記三作の圧縮版(腕を鍛える動きが減ってるかな)といった感じとなっている。セット数は4ある。時間が短いからといって、初心者がこれから始めるとつらいだろう。

LIVE IN LA!  約40分 ライブバージョンだが、音楽が小さく聞こえにくいのでいまいちノリが悪い。セット数は8回ものが多くてきつめ。慣れてきた後に試しにやってみる感じか。

以上、基本セットになっている。

Tae Bo: Amped - Rock N Sculpt セット

Rockin ABS Rockin BUNS SCUPUPT EXPRESS  各約40分の三プログラムセット。アンプファイアを使う。それぞれ腹筋、下半身、上半身(腕、手首)の集中プログラム。基本セットに足りないものが揃ってて良い。アンプファイアの使い方に関しては若干無理があるものが増えてるので、動作によっては無しにしてもいいかもしれない。

Tae Bo Get Celebrity Fit Cardio 約40分 アンプファイアを使わない。通常のタエボーでカーディオ。後半コンビネーションが多めになってくるので動作を覚えてきれない最初は面倒。慣れるとそれほどでもない運動強度。最初のストレッチがなくアップだけ、最後のストレッチも含めてグランドが一切ない。

Tae Bo  Get Celebrity Fit Sculpt 約40分 上のとあんまり変わらない。

Ultimate Tae Bo 約90分 アンプファイアを使わない。カーディオで早い動きでとにかく長い。ここまで来ると通常の長さのものとジョギングとを組み合わせた方がいいように思う。あるいは通常のものと強化プログラムを組み合わせるとか。長くやりたいけど天候が悪い時用か。60分まででいったん区切れるのでそこでやめてもいいかもしれない。+約30分のTurbo Charged Fat Burnerはアンプファイアを使う。一枚のDVDにまとめるにはちぐはぐな印象がある。

・TAEBO T3 T3ウェイト(ハンドウェイト)を使うほかは基本に戻った? 日本語字幕版もあり。

基本セットは未入手。下記は同じ時期の特殊プログラム。

Tae Bo Funk 踊り要素加えたタエボー。器具は使わない。グラウンドもなし。基本動作に少し捻りが入った程度で、Tae Bo Get Celebrityと似ている。運動強度としてはこっちの方が緩め。

Tae Bo Freestyle Funk  上記無印とあんまり変わらない。

・Tae Bo Ultimate Collection

DVD4枚組でたくさんプログラムが入っているのだが、重複されて収録されているプログラムが結構ある。

昔の映像で画質があまりよくないが、内容的には完成されている。特殊な器具を使わずにインターバルも短めできびきびした感じ。

一枚目がいきなり腹筋集中プログラム。約30分でグランド多め。

あとは約30分or50分の基本的なものが各2種。一部にグランドあり。50分の方は動きもかなり早くなってハード。

一つ一つの動きを丁寧に解説した長めのプログラムも2種あるが、丁寧過ぎてノリも悪いのでかったるい。英語の解説もわかんないし。

8分プログラム(2種類あり)は、前後のストレッチを入れると十数分あるが、動作の切り替えも早くコンパクトによくまとまっている。おススメ。

★おまけ ターボジャムについて

タエボーよりもダンス寄りで、切り替えが早い。タエボーのリズムに慣れているとせわしない感じがある。そのぶんカーディオ効果は高め。

5つのプログラムが基本セットとなっている。約10分の基本編は最初の習熟用で一回やれば十分。燃焼編は基本動作を活かした約16分のワークアウト。他に比べる単純だが、そこそこコンビネーションがある。約20分の20分ワークアウトのそのまんま20分間のカーディオで、途中ターボタイムという全力疾走パートと休憩があるのがおもしろい。約40分のターボス・カルプトでは鉄アレイを使ったエクササイズ。「ターボ」とついているがゆったりめの動き。約20分のABジャムは腹筋編。後半からはグラウンドで最後は効く。45分のカルディオパーティは動きっぱなしのカーディオ。後半にターボタイムあるのはいいのだけど、その後は同じ動作の繰り返しになってくるのですこしイヤになってくる。燃焼編や20分ワークアウトがオススメか。