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塩灸(臍(へそ)灸)について

へそ(臍)は、色々な形をしています。此れを東洋医学的な見地から見ますと、へその型はその人の健康状態を表しているのです。へそは縦長よりも、お餅を横から見たように偉そうに踏ん張っているのがいいのです。そんな人は胃腸が丈夫であるだけでなく、五臓六腑もしっかりしている、身体が強く、いわゆる免疫力もしっかりしています。
ところが、年を取ったり、生まれつき胃腸の弱い人、臆病質な人や大病を患ったような人は、へそに元気がありません。
硬くなったへそ、垂れ下がったへそ、横の方に引っ張られたように、そっぽを向いているへそ、色々あります。
これに元気を与えるのがへそ塩灸です。へそ(臍)は、鍼灸医学では「神闕(しんけつ)」と呼ばれている大切なツボです。
解剖的にも重要な場所にあることは皆さんもご存知のとおりです。

「穴名の由来」

測り知れないところの変化を「神」という。「闕」は重要なところを指します。
本穴は臍の孔であり、胎生時はこれと臍帯を通じて、栄養が胎児に供給されるので別名『命蒂』(めいてい)とも言います。
神闕(しんけつ)と名づけられたのは、胎児に全身くまなく栄養を送ると同時に、神気(今日の遺伝子の伝達にあたる)の行き交う門戸であり、その不可思議な変化は測り知れないので、神闕と名付けられたのです。
その神闕へ「へそ灸」と称して竹筒を利用してへそ塩灸をします。

「塩灸の適応症」

腹や手足の冷え性。月経痛、不妊症、夜尿症、小児のかん虫、不眠症、いわゆる自律神経失調症、胃下垂症、胃弱(消化不良)。慢性の下痢、または虚弱な無力性便秘。脱肛、痔。慢性の膀胱障害(頻尿、夜間頻尿、尿がもれる、残尿感)。前立腺肥大による障害。その他、各種神経痛「坐骨神経痛」や慢性の腰痛症。  

モグサを型に入れて作ったもの、モグサ団子と呼ぶ。
竹の中に8割程度塩を入れる。
塩を押さえつけて、固く締める。
その塩の上に、モグサ団子の下から火をつけて置く。
もぐさ団子が燃え切り、煙が出なくなれば、
竹筒を腹に載せる。
(もぐさが燃えている間は、換気扇の下に置いておく。)
直接腹に置くのではなく、手ぬぐいをお腹に引いてのせる。
一個は臍の上に、もう一つは臍と恥骨の間に載せる。

ゆっくりと温めます、気持のいい程度で。
熱すぎないように注意が必要です。

当院では、塩灸セットを持ち帰りできます。



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