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大槌刺し子について

「ひと針を通して、人と社会に寄り添う」

大槌刺し子は、東日本大震災をきっかけにうまれました。岩手県大槌町の女性たちが日本の伝統手芸である「刺し子」を、布地の上にひと針、ひと針ほどこすことで、手仕事のぬくもりを伝えています。


はじめに

私たちの原点

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大槌刺し子は、岩手県の沿岸南部に位置する小さな三陸のまちにあります。

きっかけは、2011年3月11日、東日本を襲った未曾有の大震災。大槌町は、町役場など、町の機能の大半を失い、多くの方が犠牲となりました。避難生活を余儀なくされる方も9,000人を超えました。

女性に役割を

避難所での生活では、男の人たちは瓦礫の撤去などの仕事が山積みの一方で、女の人たちにはすることがあまりない状況が続きました。仕事に出ようにも職場も車もなくなり、避難所で何もすることがなく一日を過ごす。そんな日々が続いていました。

そんなとき、避難所に入っていたボランティアの吉野さんという若者が「女の人たちに何かできることを作りたい!」という想いを持ち、東京のボランティア仲間に声をかけます。そこで、みんなでアイデアを持ち寄り、たどり着いたのが、避難所という限られたスペースで、針と糸、そして布さえあればできる「刺し子」の制作でした。

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「針と糸から、復興への糸口を。手仕事から、未来の働き口を。」

避難所で一日中横になっていたおばあちゃんも。仕事を失ったお母さんも。働き盛りの若い女性も。復興への願いを込めて、ひと針ずつ刺していく。

2011年6月、大槌町発「大槌復興刺し子プロジェクト」の誕生です。

10年間のあゆみ

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はじめは、大槌町の町のシンボルのカモメをモチーフにした「ふきん」や「コースター」の制作・販売から始めました。オンラインストアを開設すると、多くの人が購入くださり、たちまち売り切れになりました。

それから、大槌町の中心部に一軒家を借り、刺し子さんが集まって、作業をしたり、お茶っこをしたりできる場所として、「刺し子会」を開催しながら、プロジェクトを続けてきました。

プロジェクトを始めてから、刺し子で得た工賃で「孫にジュースを買ってあげることができたよ」と喜んでくれる刺し子さんや、津波で亡くなってしまった妹の焼き鳥屋さんを再建する刺し子さんも出てきました。

プロジェクトを担うスタッフにとっても初めての経験ばかりで、採算が合わない商品ができてしまったり、失敗もたくさんありました。

それでも、続けていると、たくさんの企業やブランドさんからも声をかけていただけるようになり、「無印」さんや「オンワード」さんなどの会社とコラボレーション商品を制作したりするようにもなりました。

はじめた頃は素人同然だったので、刺し子の本場の一つ、飛騨高山から先生を呼び、講習会も重ねながら、刺し子の技術を磨いてきました。今では、高い技術力で信頼もいただけるようになりました。

おかげさまで、この 10 年間で、209 名の方がプロジェクトに参加し、工賃として 3,9808,500 円をお支払いすることができました。

これからのこと

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名称を「大槌刺し子へ」

震災から10年が経ち、大槌刺し子を取り巻く環境も変わってきました。これまで活動を続けるなかで、「ものを大切にする」心から生まれた「刺し子」をもっと広げ、残していきたい、という気持ちが強くなりました。

そこで、2021年4月から名称を「大槌刺し子」へと変更し、ロゴマークもリニューアルして、再出発をしました。

大槌刺し子のものづくり

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布を補強することで、できるだけ長く使う、「もの大切にする」心から生まれた刺し子。大槌刺し子は、そんな日本の伝統手芸「刺し子」が受け継いできた、ひと針の可能性を信じて、次のことを目指しています。

1. 手仕事の価値を伝える
2. 持続可能な社会をつくる
3. 工芸と地方を元気にする

どれも簡単なことではないかもしれませんが、刺し子がもつ手仕事の価値を伝えることで、持続可能な社会づくりに貢献すること。そして、地方と工芸を元気にする小さな産業モデルをつくること。それが、わたしたちの目標です。

ご案内

大槌刺し子では、わたしたちの想いに共感くださるパートナーを求めています。大槌刺し子に関心をお寄せくださった方は、ぜひ、公式サイトもご覧ください。

大槌刺し子 公式サイト▶︎ https://sashiko.jp/
オンラインストア ▶ https://store.sashiko.jp/

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