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思ったことつらつらと in 電車 にマックスウェルの悪魔な囁き

これはとある一日に、突然訪れた悪魔の囁きである。


にインスピレーションを経て、ショートショートが始まります。


★☆★☆

「マックスウェルの悪魔な囁き」

(孤独感を埋められないだって?)
え?なに?

(沢山の人と繋がるのに、君たちはどれぐらいの時間を利用しているんだい?)
キョロキョロと挙動不審に辺りを見渡して見たものの、周りでは相変わらず頭を垂れてスマホをイジる人がいるだけで、私に話しかけてくる人はいない。

(24時間、起きてから寝るまでの間、誰と時間を共有しているんだい)
え?だれ?

(僕はマックスウェルの悪魔さ。こうしている間も、時間は無情に過ぎていくよね。でも、君は貴重な時間を電車の中で一人きりさ)
余計なお世話だ。
ああ、これはきっと私の妄想だ。
変な妄想に取り憑かれているんだ。

(半分正解で、半分不正解だ)
勝手に話しかけてくるなよ。

私は目を閉じて頭を左右に激しく揺さぶる。
変な妄想を取り払うかのように……

目を閉じている真っ暗な闇のまぶたの奥の方で、羽の生えた矢印のような尻尾をつけた、見るからに悪魔っぽい生き物がはっきりと羽ばたいている姿が見える。
私はハッとなって目を開ける。
そこはまだ電車の中だ。
今度はゆっくりと目を閉じてみる。
確かに目の奥にそのヘンテコな悪魔が住み着いているようだ。

(やあ、僕のことが見えたようだね)
人の目の中で軽快に飛び回っているそいつは、目を閉じると話しかけてきた。

(目を開けると僕は見えなくなる。目を閉じると僕が見えるようになる。不思議だね)
目を開けても頭の中に悪魔の囁きは続いた。

(人はどうして昔に比べて孤独なんだと思う?文明が発達したのに、なぜ孤独感は増すばかりなのだろう?ちょっと一緒に考えてみようか?僕は時間の闇が関係していると思うな)
時間の闇かなんかどうでもいいんだよ。
もうどこかへ行って。

(へへへ、それはできない相談だな。一度取り憑いたら、そう簡単には離れないよ)
一人になって考える時間が欲しい。

(わかった。お安い御用さ。しばらく話しかけないから、じっくり考えてみてね)
私は恐る恐るゆっくりと目を閉じた。
目を閉じた暗闇の中を軽快に飛び回っていた変なやつはいなくなっていた。

電車が2駅ほど通り過ぎた後、
私はスマホの検索画面で、マックスウェルの悪魔を検索していた。

★☆★☆


(続くかどうか、全てはアナタ次第です♪)

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