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ディベロッパージェネシス(ゾイド誕生:Feat. 魔女喰い)

ディベロッパージェネシスって何? という方はこちら

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ディベロッパーって何?? という方はこちら

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ディベロッパー全作品が収納されているマガジンはこちら

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★☆

とある謎の施設で目覚めた女性は、水槽の中に生命維持装置を接続され、赤子のように浮いていた。

その美貌は、誰よりも美しく、そこに訪れる男達は立ち止まり、我を忘れて口を開け、ただ呆然と立ち尽くしていた。

いつからかボーダーを人工培養し研究する施設は、世界中に溢れる。

人工的に作られたボーダーはその科学者らによって、『National Border Association』通称NBAに高額出資する傭兵として雇用される。

人工的に作られる人造人間は、雇用者から見れば単なる兵器である。

物として売買されているに過ぎず、優秀な異能者ほど組織のミッションを高値で取引できる。

残念なことに需要と供給の資本的経済世界において、この取引は成立していた。

この過程で優秀ではない、組織に交われない異能者は生まれる。

その殆どが闇市のような状態であり、暴徒化した集団はゾイド組織と変容した。

アメリカで暴徒化した組織は、その一部分でしかなかった。

美しすぎる女性は美貌ではあるが、貧しかった。

彼女には生活を支える仕事が必要だったのだ。

藁にもすがる思いで訪れた研究施設で、彼女は異能者になるための手術を受けた。

天性的なボーダー能力ではなく、ボーダーの亜流であり、ボーダーの細胞を遺伝子改良してウイルスの如く体内に注入する。

まるで蜘蛛の毒牙が蜘蛛の力を移植するように、遺伝子レベルで人体を改造しようと言うのが科学者達の研究である。

「この女性にはどんなボーダーの力を遺伝したのですか?」

「彼女は愛と戦いの女神よ」

そこに存在する研究員の誰もが、彼女のまだ誕生していないボーダーの力を想像した。

女神という言葉にピッタリの美貌を合わせ持った女性は、きっと世界に平和をもたらしてくれる力を持っているのだろう。

科学者の誰もがそのように想像した。

そう、一人の科学者を覗いて、その一人だけは目論見が違っていた。

この世界に戦いをもたらす女神を作る。

この女性に見出した結論だった。

美貌を武器に戦う。科学者がこの世界に解き放った力は、世界の男を殺す武器だった。

結婚を控えていた科学者は、結婚当日に浮気され、破談となる。

この時、既に妊娠しており、妊娠5ヶ月という状態だった。

ボーダー培養研究に時間を取られ、過労がたたり、その後に知り合った男からはDVを受け流産。

自暴自棄になりながら、ボーダー培養研究を続けている時に、ギリシヤ神話の本に手を伸ばした。

ゼウスとの間に生まれた子供をすべて殺され、目を潰されて眠ることも子供を見ることも出来なくされた呪われた女性の話。

幸せな人生を男に弄ばれた挙句、手放すことになった呪いの話だ。

科学者は自分と重ねた。

その憎しみを、女性に植えつけた。

そして、女性は意図せずゾイドとなってしまったのだ。

女性が最初に殺めたのは、生みの親である科学者だった。

「きゃー!」

科学者は悲鳴とともに倒れ、施設内で亡くなった。

どのように殺めたのかを目撃した人物はいない。

そしてどのようにして、ボーダー培養の維持装置から抜け出したのかも分かってはいない。

自力で抜け出すことが出来ないとすれば、この科学者が意図的に解放したと考えるのが筋であるが、その当人が亡くなっているとなると推測するのみに留まった。

他の科学者、研究員は女性の捜索を諦めた。ゾイドを作ってしまったとなっては、今研究しているボーダー培養に支障をきたすからだ。

この事は、施設内では無かったこととなった。

施設から抜けだした女性は、生まれたままの姿で荒野を徘徊している。

記憶を失い、意識は朦朧とし、フラフラと意志もなく、道を彷徨っていた。

そこに一台の車が遠方より煙を巻き上げながら近づいて来る。

女性に近づくと、その姿に驚きつつも真っ赤なオープンカーに乗った一人の紳士は、車より布切れを取り出し、在られもない姿を隠した。

美貌を備えた女性を車に招き入れると紳士は直ぐに野獣に変貌した。

女性を安心させようとなだめるようなトークを繰り出しながら、絶対に人が訪れない崖の端に車を止めて、ここから突き落とされたくなければと言いながら、女性に襲いかかったのだ。

女性は抵抗も虚しく男に……

暫くすると男は体調を崩したのか、酔っ払ったようにフラフラと体をよろめかせながら、崖の端から身を投げた。

先ほどまで元気がなかった女性は、車の中にある財産を確認し車を盗んで、街の方へと走り去っていった。

この女性の名は「ラミア」

☆★


パラレルワールドとして:

「愛と戦いの女神」が登場する?魔女喰い小説もよろしくね♪(^-^;

っていう番宣挿入で、すみません(^-^;

魔女喰い|ふぃろ 【マガジンに来てね♪】|note(ノート) https://note.mu/otspace0715/m/mb267b9a38423

物語は、ここを起点にグルグルと巡るのであった♪


りをく氏に捧げる♪(^_-)-☆



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