レオの章

第7章 レオの章 パートⅡ

シャウラ王女「い、いつもならば、こんなに力が強くはならないのに・・・」

そうだ。いつもならばだ・・・精霊の力が強くなっている。

それも運命の石に宿っている精霊の力が・・・

私も感づいていた。だから、オオワシの退治に利用することを少しためらってしまった。

ラム「運命の石の力は今、引き合っている。我々がここに集まっているということで、それは証明された。ここにいる皆、運命の石に導かれたのだ」

この男、やけに詳しい。運命の石を持つ男のようだ。

ラム「くっそ!どいつもこいつも・・・またか!」

遠くから森が焼ける匂い、そして熱風、全てを灰にしながら4人の元に近づいてくる。巨大な炎の精霊レオ。

アクベンスの目の前にたどり着くと、その巨大さに圧倒される。熱風は周辺の草木を灰としていた。アクベンスを守るように熱風は反対方向に吹き出した。目の前の森が燃え尽きると、4人の姿が炎の精霊レオの前に晒される。

炎の精霊レオ「アクベンス。我の宿主よ。我が石を受け取れ!」

アクベンス「それは出来ない!ここへ何しに来た!」

レグリーめ!何故解放した!精霊よ!

小さな蟹の精霊が炎の精霊レオの前に浮遊する。

炎の精霊レオ「はははははっ。小さき者よ。戦いに来たのではない。自らの宿主を殺すわけがなかろう。安心せよ。まだ我が石は自由にはなってはおらん。時期に呼び戻されよう。何が起きているのかと問うておるのだ。お主の口より言付けよ」

炎の精霊レオは、アクベンスに隙あれば取り付こうとしているように見えるが、周りの人間の動向を観察しながら面白がっているようでもあった。

ラム「レオよ。わからぬ訳ではなかろう」

傷だらけの男が会話に割って入ってきた。

炎の精霊レオ「おお、生くら石の宿主か。人間の世界においても対して役にはたっていないようだな。何だその身なりはボロボロじゃないか」

シャウラ王女を助け起こして、アクベンスの元にアルレシャが近づいた。シャウラ王女に目を向けた後、アクベンスと炎の精霊レオとの間に立ちアクベンスとシャウラ王女に話し始めた。

アルレシャ「私からまず、シャウラ王女とアクベンス殿にお話しなければならないことが御座います」

アルレシャはシャウラ王女とアクベンスに交互に目を配り、振り向いて炎の精霊レオを見つめた。

アルレシャ「昨日、小さき緑青色のドラゴンが鳥の大群を引き連れ、運命の石を探して城に攻撃を仕掛けてきました。先ほど、襲われていたこの男も同じ鳥の大群に襲われていたものと思います」

鳥に襲われていた男が口を挟む。

ラム「ああ、そうだ。最初は鳥の大群に襲われていたが、途中で鳥達の統制が崩れてな。リーダー格のオオワシしか残らなくなったのよ。あいつは本当にしつこいのなんのって」

アルレシャは振り向き、次にシャウラ王女とアクベンスに話し始めた。

アルレシャ「その危機を防いだのが、王女の連れてきた石の持たぬ男の子でした。小さき緑青色のドラゴンと共に姿を消しました。国王より、シャウラ王女とアクベンス殿には、そのドラゴンと男の子の捜索を行うようにと言付けを受けて、ここまで参りました」

なんていうことだ。この短い間に西の国境での災難と、城にドラゴンの奇襲。何が動き出したというのか。

炎の精霊レオ「状況は承知した。我が宿主よ。もう暫くお前を自由にしてやろう」

炎の精霊レオは言い残すと、元来た道を滑るように後退して炎の塊に変わりボンッと姿を消した。

シャウラ王女「そこのもの、名前を教えよ。色々と知っているような口ぶりであったな」

鳥に襲われていた男にシャウラ王女は、剣先を向けた。

アクベンス「王女様、お止めください。無理に口を割ろうとしても口を開いたりは致しません」

アクベンスはシャウラ王女と鳥に襲われた男の間に立った。

アルレシャ「この者はラムと言います。そして小さき緑青色のドラゴンが探している運命の石を持つ男でございます」

アルレシャがシャウラ王女に少し歩み寄り、鳥に襲われていた男を見る。

シャウラ王女「アルレシャよ。ずいぶん詳しいじゃないか」

アルレシャ「私の彼氏です」

アルレシャは少し顔を赤らめながら、付け加えた。

こんなにも身近に運命の石を持つものが集まるとは、他の石も既に近くにあるということなのだろうか。

アクベンスは書状をアルレシャに渡し、国王に届けるよう伝えた。

ラムはドラゴンと鉢合わせ無いようアルレシャと共に城へ向かうことで同意した。

我々は、少年とドラゴンを探しださなければならない。

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