脆弱系魔術_その理論と実践__2_

脆弱系魔術 ~その理論と実践「第二話:森林性出現憑依型のケース」セクション8

二人は朝食を食べ終え、寝泊まりした場所を片付けると、行方不明となった村娘の家に向かった。
そこは村でも随一の交易商が集う場所にあり、ファニーが獣肉を購入した市場を通り抜けた先にある。
市場では通りでファニーに声をかける村人が多くいたことで気持ちを紛らわしてくれた。
ファニー「そう言えば、昨日ベラが寝ている間にお屋敷見せてもらったんだけど、獣の置物とか出来るだけ置かないでねって伝えてあるから安心してね」
ベラ「え?一人で行ったの?」
ファニー「行ったよ。また倒れたら困るから行く前にチェックしておいた。すっごい大きな客間に大虎の敷物が敷いてあったけど、流石にこれはまずいだろうと片付けるように伝えてきた」
ベラ「ちょっと、やめてよ。変な詮索されちゃうじゃない」
ファニー「出来たら獣の装飾品がない場所に案内してって言っといたから安心して」
それはますます安心できない。
変な詮索入れられて不審がられたら、話しを聞きに行く意味がなくなってしまう。
ファニー「あ、ここ、ここだよ。おっきいお屋敷でしょ。この村の交易はここを起点に色んな人が出入りしているんだよ」
心配事を増やして屋敷に到着すると、呼び鈴を鳴らす前に昨日話しをした顧問が扉を開けて迎え入れてくれた。
顧問「昨日はすみませんでした。いや~まさか獣の装飾品にアレルギーがあるなど知りもしませんでした。ここに来る者は皆、獣に慣れている者たちばかりでしたので」

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