見出し画像

「当」

「 こんな感じでどうでしょうか?」
少々のためらいがあってもYESを出してしまう私。先ずはそんな私にNOを出さなきゃ。確認するように鏡に映る私を見ていると。弓矢が的を得たよう美容師のお姉さんと目が合った。そう。私は今、美容室で前髪の長さを決めるところなんです。

昨夏、前髪を下ろしてみました。それまで全開におでこを出していましたが。たまには閉じてみるのもいいかな。なんて軽いノリで眉毛を隠すように切りそろえてみました。驚いたのはおでこは感覚の窓なのを実感したことです。前髪のカーテンが付いたおかげで遮られるものがあるらしく。しばらくこんな感じも悪くないなと春を迎えています。

「あの、眉毛の上でそろえてみたいです」
なぜだろう。顔が赤くなるのを感じる。いや、実際に鏡のなかの私の頬は上気していました。

「眉毛の上ですか。ぱっつんですね笑」
「うん。ぱっつんで」
シュルシュルっとできあがったぱっつんにNOがYESになるのを感じる。鏡のなかの私がグッジョブっと合図してくる。私もグッジョブのお返しをする。
「どうでしょう?」
「ありがとう。やってみたかったの」

前髪が短くなると。カーテンがゴブラン織りからレース仕様になったようで。柔らかい陽ざしが入ってきたおかげで閉ざしていた感覚がちょうどよい加減で目を覚まします。さて、ケーキ屋さんでお菓子でも買って帰ろうかな。

「777円になります。」
「えっ、777円。」
「すごいですよね。きっといいことありますよ」
クッキーとレシートといいことが起きるかもしれないチケットも一緒に受け取ってウキウキです。帰り道に立ち寄ったケーキ屋さんでの嬉しい出来事です。

お気に入りのケーキ屋さんで777

自動車のナンバープレートとかレシートのぞろ目はエンジェルナンバーと言われていますよね。それぞれの数字には込められた意味があって。3桁より4桁の方がその力が強いと聞いたことがあります。ちなみに検索すると777は努力の結果として望みや願いが叶うことを伝えてくれる数字とありました。そっか。努力に対しての結果のようですね。棚からお餅は落ちてきませんと言われたような・・・・。気もしないではありません。

帰宅の遅いやっちゃんを待ちながら。筍が炊けるのを待っている。どっちが先になるかな。できれば筍が先でありますようにと願ってみましたが。インターホーンの方が僅かに早かった。

「お土産があるよ」と大きな花束を抱えての帰宅です。桜色のシャクナゲです。なんかややこしい表現になりましたが。花束というより山盛りのシャクナゲです。何でも勤務先のアルバイトの方の山にはシャクナゲが真っ盛りで。今年はまたいつになく花の咲き具合がよいのだとか。

山の恵み

新聞紙に包まれたシャクナゲはきれいに茎が切りそろえれていて。その様子は私のぱっつんのよう。丁寧にキッチンペーパーで切り口を湿らせて。持たせてくださいました。花瓶に飾り終えるころには筍も染み染みです。

ぱっつん、777、シャクナゲ、筍。
今日は宝くじに当たったような1日でした。私的には大当たりかな。

追記
大きな花束を持って帰宅した時は。えっ、まさか退職?と焦っている私もいましたが。良かったです。明日も無事出勤です。

クロアゲハがいるの、わかります??



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?