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紙一重

SUSUMU YOKOTA さんのアルバムに『SAKURA』というアルバムがある。
若い頃から好きでずっと聴いていた。

先日、このアルバムを流しながら、妻の操法をしていた。

もう亡くなった方の、そして私が若い頃好きだった曲を聴きながら、その頃はまだ会っていなかった妻と、いまだ誕生前のお腹の子に、愉氣をしているのが、不思議な感じだ、と告げた。

そうしたら、生と死はそんなに違いがない、と言われた。
陳腐な言葉だけど、この時は説得力を感じた。

一体、自分が生きてるのか、死んでるか、過去を生きてるのか、未来を生きてるのか、よくわからなくなる奇妙な感覚だったから。

もう死の側にいる芸術家の裡なる美の念を感じながら、これから産まれてくるお腹の子の生の勢いに集注していると、私と妻の存在が消えていく。

我々が死の側にいて、彼らが生の側にいるような。
(2019年2月13日執筆)

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