めんどくさい「資料作り」を楽しくするメソッド【デザイナー実践編】
おはようございます!こんにちは!こんばんは!
2013年からデザイナーとして働きはじめて10年目、現在3社目のCUEBiCにて、UIデザイナーとして奮闘している小野翔太郎(@shotaroototachi)です。
初っ端から個人的宣伝をブッ込みますが、趣味で音楽活動をしており、CDもリリースしていたりするので、ご視聴頂けると嬉しいです。
DesignShip2022に登壇!
さて本題ですが、2022年11月12日(土)、DesignShipにスポンサー枠として登壇させて頂きました。
所属しているデザイン部署を代表して、組織づくりのための取り組みについて紹介する、という重大な任務で、当日は緊張でカミカミでしたがなんとか乗り切ることができました。
プレゼンテーションに使用したスライドはこちらです。
https://www.icloud.com/keynote/0c0kIg5e_jDHEoLcYxLOdC08Q#DesignShip%5Fpresentation%5Fcb-ono
実際にお話しした内容は、画面左上の「発表者ノートを表示」を押下して閲覧できます。(資料上では細かい内容は載せていないので…)
今回私がお話しした「品評会」という取り組みについては、cocodaさんにて詳しく取り上げて頂いた記事がございますのでご覧下さい。
資料作りってめんどくさい
このnoteの記事は、プレゼンテーションの内容そのものについてではなく、このプレゼンテーションに使用した「資料作り」にフォーカスを当てて綴っています。
・・・資料作りって結構大変ですよね。そう感じてしまう理由を自分なりに整理してみました。
💀華やかな素材が無いから見栄えしない
プレゼンテーションの内容が、商品や有形のサービスについてでしたらそこまで悩まないかもしれませんが、今回私がDesignShipでお話ししたような「組織づくり」という形の無い取り組みの場合、いざ資料にするとなると、ビジュアルとして使える素材が存在していないことが多く、下手したら文字だけの資料になってしまいます。
💀メインの仕事じゃない(ことが多い)から気乗りしない
さらに、資料作りはどうしても、通常の業務よりも優先度が下がりがちで、隙間時間や通常業務後に粛々と対応することになる場合も多く、その割に締め切りまでの時間が短く、突発的に対応せねばならないとなると(今回のDesignShipがそうでした。)、そこまで本腰を入れてやろうという気持ちにならず「まぁ、このくらいでいいか」と感じることも多いと思います。
💀やるならちゃんとしたものにしたい
とはいっても、デザイナーたるもの、作るならクオリティを高めたいと考えるはずです。特に今回の私の場合、名だたる企業のステキデザイナーが登壇するDesignShipということもあり、それはもうさぞかし美しくカッコイイ資料を用意してこられるんだろうなぁ、という焦燥感もあったわけです。
というような、資料作りの「負」についてまとめましたが、今回のこのnoteでは、その「負」を払拭!…とまではいかないにせよ、そこに立ち向かうために、少しでもポジティブな気持ちになれるような後押しをできればと思い、今回の私がDesignShipで作った資料を例にして、実体験をもとに執筆させて頂いた次第です。
ポジティブに資料作りをするための3つのメソッド
めんどくさいと感じてしまう資料作りを、なるべくポジティブに受け止めて進めていくために、私が今回のDesignShipで実践したメソッドは3つです。
上記の3つのメソッドが、実際の資料にどう落とし込まれているかとあわせて紹介します。
1.未知に挑む🔍
今回の私の発表のように、ビジュアルとして使える素材が存在していない内容に関しては、逆に新しい表現にチャンレジできる絶好のチャンスです。
雑に言うと好き放題できるわけですから、ここで色々な表現を試さないなんてもったいない!
今回の私の資料の「未知に挑む」を紹介します。
①3D表現
この造形はCUEBiCのメンバの性格を表現するモチーフになっており、コーポレートサイトのメンバー紹介ページでもご覧頂けます。
余談ですがこのコーポレートサイトも私がデザインさせて頂きました。
その時のインタビュー記事も載せちゃいます。
②ザラザラした質感
③情報を載せるための不規則なグラデーション
④ネオン表現
⑤文字のダメージ加工
商品やサービスのデザインのトーン&マナーが決まっている場合でも、「未知に挑む」ことはできると考えています。資料というものには切り口(どの様に商品やサービスを語るかの軸=テーマ)が存在することが多いため、その切り口に合わせたテーマでトーン&マナーを変えていくことができるのではないでしょうか。
ちなみに私の今回の資料のテーマは「混沌の中の光」でした。黒を基調にした3D表現やザラザラした質感で、複雑さや奥行きを表現することで、組織づくりの難しさや道半ばであることを演出し、白い文字やネオン表現で輝きや快活さを表現することで、そこから見えてきた発見や希望を演出しています。
この1つ目のメソッド、「未知に挑む」を意識し、自分が今までやったことがない、やってみたいと思っていた表現に挑戦することで、その難しさを知り、訓練を積むことができ、デザイナーとして表現力を高めることができるはずです。
2.手作り素材✋
前述の通り、ビジュアルとして使える素材が存在していない場合、下手したら文字だけの資料になってしまいます。文字だけの資料が悪いというわけではもちろんありませんが、デザイナーにとって、文字だけではなく絵的な要素を作り出し表現することはとても重要なスキルだと考えているので、この資料作りにおいてもこの点を意識して取り組みました。
今回の私の資料の「手作り素材」を紹介します。
①背景のデザインを作成
こちらは1つめのメソッド「未知に挑む」でも紹介したものです。
既存のテンプレートは使わず、DesignShipのために一から「手作り」しています。
②写真を撮影
DesignShipで発表した内容は、実際の商品やサービスの画面などは無かったものの、メンバーとコミュニケーションをとるシーンは多く存在していたため、その瞬間を写真で切り取ればよいのでは?と考え、入稿直前に撮影することにしました。
結果的に撮影に協力して下さったメンバーも資料に登場することになり、組織全体でこのDesignShipに参加しているムードを作ることができたようにも思います。
③チームメンバーのイラストを制作
今回の私の発表は、組織づくりの取り組みに、チームメンバー全員で向き合ってる、という点がポイントだったため、上記の画像のようにメンバーの関係図を多用する構成にしようと決めていました。
下書きの時点では、以下のような既存の人のアイコンを使えばいいかな、
と考えていましたが、どうも物足りない、味気ない、人感が出ない、CUEBiCという会社の良さが伝わらない、と感じ始め、それならばメンバーひとりひとりのイラストを描いたほうがいいな!という考えにたどり着きました。
〜手描き期〜
全部で14人のイラストを描く必要があり、結構骨の折れる作業になるなと思ったので、はじめは簡単な下絵から着手しました。この段階で、顔の輪郭や髪型、口の形などで個性を出していく方向性を固めていきました。
〜パスデータ期〜
下絵が大枠固まると、次はIllustratorでパスデータに編集していく作業です。
何人かのイラストをデータ化し、線の込み合い具合、色の有無などを決め、流用できる部分をコピーして残りの人数分も制作していきました。
ちょっとしたこだわりとして、眼鏡をかけているメンバーは、それぞれの写真から眼鏡の輪郭をトレースして微妙な違いを付けています。
〜磨き込み期〜
最後は、資料の中に入れてみて、細かい部分を整えていく作業です。
単体の状態で、造形にいびつな箇所が無いかをチェックしつつ、14人並べた状態で、大小のバラツキが無いか、位置はズレていないかなどを見ながら資料に溶け込ませていきました。
こうして、2つ目のメソッド、「手作り素材」を意識し実践することで、唯一無二の表現になり、自分らしさ、チームらしさ、会社らしさを作り上げることができ、さらには資料そのものにも愛着を持てるようになります。
3.サプライズ🎉
さて、最後のメソッドは「サプライズ」です。
DesignShipは、「登壇者の話を聞きながら資料を見て頂く」という形式だったので、こんなものも作っちゃいました。
資料で登場したイラストをプリントしたスウェットです。
これを着てDesignShipの本番は登壇しました。
完全秘密裏?に制作しており(※注:自腹です笑)、当日もメンバーが応援に来てくれていて登壇前に声をかけましたが、その時は別の服を着てバレないようにしていたので、本番にはいい具合に驚いてくれました。
この「サプライズ」は、イベントに参加される皆さんに対してだけではなく、社内のメンバーに向けて工夫した意味合いも強かったです。
社内のメンバーは、事前の発表練習ですでに内容を聞いている状態だったので、本番ではあまり新鮮な気持ちで見ることができなくなってしまうなぁ、と感じていました。
そこで考えたのが、このオリジナルイラストを使ったスウェットでした。
単純に普段着るためのスウェットが欲しいと思っていたことも重なって思いついたアイデアでしたが、おかげで「ユニフォームを着て試合にでるような気持ち」になり、より気持ちの込もったプレゼンテーションになった気がしています。
この3つめのメソッド、「サプライズ」は、僕の場合はスウェットを作ることでしたが、振り返ると、
資料作りだけに留めない
資料がどんな状況で使われるかを想像する
見てもらう人に楽しんでもらう
という点がポイントだったように思います。
そうすることで、資料を作ること以上のワクワクやドキドキを作り出すことができるはずです。
ま★と★め
さて改めて今回の内容をまとめると、
という感じです。
正直メソッドというよりは、気持ちの持ちようというか、やや精神論的な話になってしまった感は否めませんが、実際に今回、DesignShipという大きな舞台のための資料作り、という貴重な経験させて頂いたので、ここで得た学びを私だけのものにせず、このnoteを通じて少しでも「資料作り」へのハードルが下がり、楽しんで取り組めそうだと感じて頂けたら嬉しいです。
みなさまよいお年を!
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