You were born from the sun

幼くして亡くなったお友達のお話


心臓が波打つ
全身を駆け巡って
その強さに身体が揺れる
世界から自分を遮断する
生命の音が、聞こえる


時々思い出すんだよね。
あの日はイツメンで一緒に帰ってたよね。
あと数秒プール前でおしゃべりしてたら、
あと数秒遅く歩いてたら、
氷の上で滑って遊んでなければ、
って思ってしまう。

事故に遭ったって聞いて、ショックだった。
でも、脳死状態だけどね、生きてるよって教えてくれて。まだ未来はあるよね、って自分に言い聞かせてた。絶対クラスに戻ってくるって。

それから50日経った。
その日、担任の先生が授業始まってるのに来なくて、委員長だったから、また呼びにいくのかなーとか思ってた。そしたら、いつも元気で芯のある担任の先生が、涙目で下を向いて教室に入ってきて。亡くなった、ってゆっくりお話ししてくれた。音楽室に学年全員が集められて、取り乱さないようにゆっくりゆっくり先生達がお話してくれた。私は、信じてなかった。信じられなかった。でも涙は、教室から移動して、帰るまでずっと止まらなかった。家でもまた泣いた。信じてないのに。

本当に亡くなってしまったことをお葬式で理解してしまって、涙はずっと止まらなくて、帰りの車の中で流れてた曲が全て君に重なるような感じがして、もうどうしていいか分からなくなっちゃって。今でもそれは変わらなくて、思い出す度に涙が止まらないんだよね。

その後、
毎日みんなで君の机にもたれかかって周りでおしゃべりしてたの、知らないでしょ。
君のこと名前に出すたびに、みんなで泣いてたの、知らないでしょ。
小学6年生のうちらは、死への向き合い方が分からなかったから、親友が亡くなった事を題材に作られた曲、帰り道に毎日聞いて慰め合ってたの、知らないでしょ。
なんで知らないんだよ。

さらさらなボブの髪の毛、
ぱっちりしててかわいい目、
太陽みたいに、優しくて、暖かくて、弾ける笑顔で。

私ね、「お母さんみたいだね。優しくて包み込んでくれるみたいで、ハグしたくなる〜大好き〜!!」って言ってくれたこと、ずっと覚えてるよ。それからはずっとそこが自分の長所だって自信持ってる。本当に、それだけは誰になんと言われようと、不変で揺るぎない私の取り柄だと自負してるよ。ありがとう。

あれから6年半経ったけど、今生きてたらどんな素敵な子になってたんだろうね。たまに記憶に出てきてくれてありがとう。


記憶から薄れていくのが怖い
出来ればずっと頭の中にいてほしい
声も温もりも あの時感じたままで 
消えないで 消さないで 

返して

不注意のスピード事故。
かわいい子を跳ねて頭から地球に落とした、
あなたを一生許しません。


君が可哀想だとは言わないよ。
そうするときっと君は困った顔をするから。
君が11年の生を全うできたことに拍手を。
今も私の中に居てくれることに感謝を。



太陽から生まれた 素敵な少女へ

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