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派遣切り。機械のような自分から、心をいたわる生き方へ。

緊急事態宣言が解除され、6月になった。

前回の記事を書いた時、仕事を続けるかどうかについていろいろ思い巡らせていたけれど、「そもそも契約更新あるのかな」と少し思っていた。

私は派遣社員で、もう6年半同じ会社で働いていて、正直いつ辞めてもいいくらいに疲れていた。ただでさえ暑さに弱く、何度もバセドウ病の検査をしたことがあるような体質。夏にマスクなんて無理だし、そういうことも本気で退職を考える原因になっていた。

そして、見事にコロナショックの派遣切りによって、6月末で退職することになった。
悲惨に聞こえるかもしれないけど、もう何年も悩みすぎていて更新はどっちでもよかったから、むしろこれでやっとリセットできる、そして休める、という気持ちの方が大きい。


長年のジレンマ

私は仕事や生き方というものを考えた時、やっていることとやりたいことがいつも一致していなかった。
20代の時はうつもあって生きるだけで精一杯だったので、これは30代になったころからの話。

働くことと、やりたいことは同じじゃなくてもいい。仕事はお金のためと割り切って、趣味やライフワークは別で楽しめばいい。
そういう人もいるけど人間にはタイプというものがあって、私にはどうもその生き方は難しいみたいだ。その生き方ができるのは、少しはその仕事が好きでやりがいを感じているか、本当にキッパリと割り切れる人なんじゃないかな。

自分が意義を見出せないことに延々毎日8時間も10時間も費やすなんて、やっぱりなかなかできることじゃない。確実に精神は病んでいく。
どんなに「このままで何が悪いの?仕事内容は合ってるし、お給料も普通にもらえるのに」と思おうとしても、苦しくて苦しくて、たまに大爆発してしまう。

本当は、元気のない人をちょっと元気にできるかもしれないようなことをしたかったし、もっと自然とか芸術とか、人間らしいものに触れながら穏やかに生活したかった。
なのに現実は、1日8時間、時にはそれ以上、ずっとパソコンに向かって事務的にデータ入力をしている。もちろんそれは社会の役に立ってはいるし、いろいろ細かいところに気づく自分にはとても合っているのだけれど、自分の「心」をまったく使わない仕事だった。

こんなふうに機械みたいに働くために、私はあの辛い時期を生き延びたんじゃない。
でも、生き続けるためにはこうやって働き続けるしかない。
ずっとそのジレンマで苦しんでいた。
いつも「こんな人生は嫌だ」「辞める勇気が欲しい」「あの人みたいにやってみたい」・・・そんなことばかり考えて、行動できずにいる自分にうんざりしていた。何年間も。

でもここでやっと、強制的にリセットされる私の人生。自分で決めたわけじゃないというのは、すごく悔しいけれど。

昔みたいにすぐに次を探さなきゃ!と焦ってはいない。リーマンショックで、大不況の時に足掻いてもどんどん病むだけだと学んだ。今はこれまで働いてきて少しは貯金があるのだから、こんな時くらい休憩したっていい。


いつのまにか変化していた価値観

さて、私は昔と何が変わったのかというと、まずフルタイムで働かなきゃ!という思い込みがなくなった。自分にはフルタイムで働けるキャパがないこと、それは悪いことじゃないこと、そういう生き方もあっていいこと、そしてそんな人たちがたくさんいること。
それがこの数年間、疲れやすい心と体と向き合ったり、Twitterなどを見ていてしっかりと分かったのだ。

以前なら、それでも働くのが当たり前。生きていけない。私は社会不適合だけど、この社会で普通に生きていられるほうが本当はおかしいと思うけど頑張るしかない。そう思っていた。だからいつも死にたかった。

今はたぶん、同じように思っている仲間がすごく増えたような気がする。というか、時代が変わってきて見えるようになったのかな。10年前にこんなこと言ってる人はあまり見つけられなかったし、そういう人はとりあえずすぐ叩かれてたから。これは本当に大きなことだ。

あと、自分には事務職しかできないという思い込みもなくなった、と思う。
これからはもう、なんとなくで仕事を選ばないし、自分のキャパや体質に合わない働き方もしない。

特に夏に働くということが自分にとってはこの上ないストレスで、6月から10月に入るくらいまで毎年心も体も死んでいる。この「夏働かずに生きる」という課題を、いよいよ本気で考える。


そして、辞めたらやってみたかったことをやる。家でゆるく筋トレして体力をつける。秋になったら走る。溜まっている本を読んだり、文章を書く。
勉強する。年齢なんか関係ない。今のままじゃ何もできないから、やったことのないことに挑戦するために知識をつける。

どれも、時間管理が上手なら働きながらでもできるんだと思う。でも私は家事で精いっぱいで、本を読む時間すら作れなかった。だからこれからはチャンスだ。

ピンチはチャンスだなんて、そんなカッコいい生き方は全然柄じゃないけど。でも変わりたい。
「あのコロナの時に人生を変えることができた」と、10年後に笑っていられるように。


#新しい生き方 #仕事辞めます #働き方