ある人に触れられたとき、私はなんだか安心してしまった。
お互いに恋愛感情があるわけではない。
ただの友達だ。
けれども、彼の手は優しかった。
私を見て、優しく気遣ってくれた手。
その手が愛おしかった。
ずっと触れられていたかった。
「時間止められないかなぁ」と彼が言うから、私は「えいっ」と言って止めてみた。
当然止まるはずもなく、時計を見て二人で笑う。
そんなひと時を過ごしたあの日。
間違っていると知りながらも、身を委ねたくなってしまったあの日。
君は素敵だよ。
だからどうか、幸せになってね。
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