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挑戦する島・海士町で挑戦する2人【わたし、島で働く。】

「大人の島留学」は、島での仕事を中心としたお試し体験移住制度です。
現在、「大人の島留学では具体的にどのような仕事があるの?」というお問い合わせをたくさんいただいております。そこで、大人の島留学編集部が実際に仕事現場に行き、仕事の様子や仕事への思いをインタビューしてきました。多種多様な大人の島留学生の仕事をご紹介する企画『わたし、島で働く。』をお届けします。

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 こんにちは。大人の島留学事務局です。
 今回は、有限会社海士物産海士支店で働く、井出風之介さんと實重優さんにお話を伺いました。
 2人は大学時代に運命的な出会いを果たし、合同会社FUngo(ファンゴ)を起業しました。2人は海士物産で働く中で大人の島留学制度を知り、参画することになりました。
 2人は会社として海士物産の業務(水産加工品の製造、配達など)にも取り組みながら、「海士物産に新しい仕事を作れ」というミッションを与えられ、大人の島留学として移住体験促進事業を請け負っています。日々、どのような仕事に取り組んでいるのか、仕事に懸ける2人の思いをたっぷりお聞きしました。

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お話を聞いた人:井出風之介(いで ふうのすけ)さん(左)と實重優(さねしげ ゆう)さん(右)
實重さん:大学3年生、現在休学中(取材当時)。島根県出身。高校卒業後、高知大学地域協働学部に進学。2020年7月から海士町で働き始め、2020年11月から大人の島留学に参画。
井出さん:大学3年生、現在休学中(取材当時)。神奈川県出身。隠岐島前高校に島留学したのち、高知大学地域協働学部に進学。2020年7月から海士町で働き始め、2020年11月から大人の島留学に参画。

1.彼らの仕事内容

 2人は海士物産海士支店を中心に大きく分けて2つの仕事に取り組んでいます。
 1つは、海士物産のしいしび(白イカの一夜干し)、サザエチャンジャ、こじょうゆ味噌(※)などの加工品の製造や小売店への配達です。(下写真は、海士物産が販売している飛魚(あご)だしです。)

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(※)こじょうゆ味噌・・・昔から海士町に伝わる、醤油と味噌で作られた海士町独特の調味料で、そのままおかずとして食べられるなめ味噌です。醤油が手に入りにくかった時代に醤油の代用品として作られ始めたそうです。(編集部員調べ)

 2つ目は、「海士物産海士支店に新たな仕事を作る」仕事です。具体的には、海士町にある空き家をシェアハウスに改装し、大学生向けのサービス(サテライトキャンパス(※))を展開する事業に取り組んでいます。主には、事業の企画や事務作業、空き家の清掃作業を行っています。

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※サテライトキャンパス・・・オンライン授業を受講する大学生を対象とした体験移住制度。海士町に暮らしながら並行して大学の授業を受けることができる。

2.インタビュー① 運命的な出会いの連続

ーお2人は、大人の島留学生になる前から海士物産で働いていましたよね。働くに至ったきっかけはあったんですか?
實重:僕が大学3年生冬ごろに島根県内の大学生に向けた就職活動イベントを企画運営していました。そのイベントに、海士物産が参加していたことが最初のきっかけでした。企業見学にもいかせてもらったのですが、その時にとても面白い企業だと思ったのを覚えています。そして、そのイベントの打ち上げの場所を貸していただけるとのことでさらに仲が深まり、「キンニャモニャ祭」へのお誘いを受けました。その時は勢い半分で「行きますよ!」と返事をしたのですが、その後、本当に「手伝いに来てね」と連絡をいただき、海士町に行きました。海士町に着いてから、海士物産の方に「起業がしたいけど、ライスワークがなくて踏み切れないんですよね」と相談したら、海士物産の方も人がほしいとのことで、僕と風之介の2人で働くことになりました。

ー實重さんの出会いがきっかけだったのですね! それともう1点、読者さんも気になっているであろう2人の出会いについても教えてください。
井出:話せば長いですよ(笑)僕が、大学に入学後、程なくして開催したご飯会に優くんが来たのが最初の出会いでした。その後、大学生活に何か刺激が欲しいと思ってGWに高知から愛媛の松山まで自転車100km横断する企画(松山100kmチャレンジ)を立てて、優くんを誘い、そこでさらに仲良くなりました。
僕自身、大学を休学したいという思いと、いつか優くんと仕事できたら良いなと思っていたというのもあります。優くんというやばいくらい良い人に会ったなと思っていて、友達のままの関係というか一緒に仕事をしても面白いのかなと思い、起業することになりました。

ー松山100kmチャレンジ…(笑)そうして今のFUngoになり、海士物産と出会い、今に至るというわけですね。大人の島留学に合流したのは、11月でしたよね。どのようなきっかけで合流したのですか?
井手:隠岐島前高のOBOGイベントで役場職員さんに出会い、僕が相談をしたのがきっかけです。
實重:僕たちは海士町に来る前、感染防止対策としてしばらく松江で働いていたのですが、その時は加工や配達といった業務が中心でした。しかし、海士町に来て「新しい仕事を生み出す」仕事がメインになり、アイディアを考えつくまで仕事がないという状況になっていました。そんな時に、大人の島留学を知り、サテライトキャンパス事業を請け負うことになりました。

※2人の出会いが詳しく知りたい方は、實重さんの大人の島留学日記をご覧ください。

3.インタビュー② 何をするかより誰とするか

ー後半では、お仕事を通してお2人が日々感じていること、考えていることについてお伺いしたいと思います。お2人は、大人の島留学生になる前と後でどのような変化を感じていますか?
實重:責任感と行動力です。いただいたお金に見合うほどの仕事ができているのか、お金をいただいていることを考えると可能な限り100%の成果を狙いに行くのが仕事だと思っています。プレッシャーも責任感も感じるので、それに伴い行動力が増えたと思います。
井手:優君が言っていること、そういうことを思って活動している優君と一緒にいることでモチベーションが上がります。落胆されたくないし、同等の相棒でいたいなと思っています。負けたくないなと思うことも増えました。実際に仕事が本格的に始まってからは、お互いをより理解することも増え、僕たちの得意や苦手を意識した仕事の分配をするようになりました。

ーお互いがいい刺激を与え合っているんですね。實重さんはお仕事をするにあたり、何がモチベーションになっていますか?
實重:本当にこれを自分の仕事にしたいという思いがモチベーションになっています。今は休学中ですが、復学し、大学卒業後にはまずここに戻ってくる予定です。場所が海士町に定まるかどうかはまだわかりませんが、本気でこの2人でやる会社を育てたいという思いに動かされています。

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ーなるほど、お2人の本気度が伺えますね。最後に、皆さんにいつも聞いている質問で終わりたいと思います。お2人にとって「島で」働くとはどのようなことでしょうか?
井手:島前高出身だったので、恩返ししたいし、戻りたいと思って海士町にきました。また、今回来たのはFUngoのためでもあります。僕らの会社を大きくする上でとても良い環境だったから島に来ました。
實重:もちろん風之介が言っているようなステップアップがしたいですが、僕たちは他人を蹴落としたいとは思っていません。自分たちが関わる人、支えてもらっている人、海士物産や海士町の方の思いを聞いて、共通の目的に向けて、一緒に上がっていきたいと思っています。「何をするかより誰とするか」が僕たちの会社の企業理念だからこそ、パートナーとして仕事をしていきたいと思っています。
また、島民の方からのアドバイスをいただけるのが嬉しいし、おもしろいと思っています。よく行く居酒屋の店主から「この商品を作っているならこういうものを作れ」とのお話もらったり、商店の方から「ここで費用を削減しなさい」とのアドバイスもいただきました。自分たちの仕事に興味を持ってくださること、それについて島民の方とお話ができるのが仕事をしていて楽しいと思う瞬間です。

4.おわりに

今回は、大人の島留学が直接のきっかけではないですが、海士町に飛び込み大人の島留学生としても活動を続ける井手さんと實重さんにお話を伺いました。今回のインタビューを通して、お2人の取り組みのきっかけや思いを知ることができました。また、若者の挑戦を応援する海士町、ひいては島前3島が少しでも伝われば幸いです。
井手さん、實重さん、貴重なお時間と素敵なお話ありがとうございました!

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