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*アナタという海に

重たい恋愛は嫌だった
軽く扱われることはもっと嫌だったけれど

社内での恋愛なんて
どうやっても本気にはならないんだから
ある程度線引きをしておきたい
できるだけクールさを装おう

Nとの初めての時間は
驚くほどあっさりとしていた
濃厚なキスや、痛いほど抱きしめられるような
そんなドラマティックなものでもなく
いつも通りすすんでいくそんな感じだった

忘れられない様な熱い交わりよりも
このしっとりとした違和感のない交わりは
ますます私の思いを強くした
紳士的な扱い方は
仕事をしている彼そのもので
そっと這う指やくちびるは
たまらなくセクシーだった

だめだ
私溺れてしまう

麻美はイイオンナだよ
耳元でささやく声が
また私を深く潜らせることになる

アナタという海に


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