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【43.演奏してみよう🎶】様々な演奏の仕方②小さく書かれた音符

今回の記事では楽譜の中で小さく書かれた音符、装飾音符についてお話ししていきます。装飾音は装飾音符と装飾記号がありますが、今回の記事では装飾音符のみを扱っております。ではQ & A方式で見ていきましょう。

Q1. 楽譜に小さく書かれた音符は何ですか?またどのように演奏すれば良いですか?

A1. 大抵の場合、装飾音符と言われる音符です。装飾音符は素早く、滑らかにトゥルンのイメージで演奏します。


装飾音符の書かれた譜例

以前の記事でも取り上げましたバイエル原書番号80番の譜例です。赤く塗られた小さい音符が装飾音符です。トゥルンというイメージで弾くようにしますが、実際に演奏する際には楽譜上では譜例の下段に示したように演奏します。小さく書かれた装飾音符は素早く、滑らかに弾きますが、素早くと言っても必ず装飾音符とそれに連なった音符は別々の音として2つが順に聞こえなくてはなりません。素早く弾こうとして装飾音符とそれに連なる音符が同時に聞こえてしまっったのでは、和音を弾いたことになってしまいますので注意しましょう。

Q2. 装飾音符は種類がありますか?

A2. 装飾音符にはいくつか書き方の違いで演奏の違いがあるものがあります。


メヌエット BWV Anh.114 の譜例

上記の譜例の①②③をご覧ください。上段に書かれている装飾音符(赤枠で囲ってある部分)は八分音符が小さくなっているものです。しかし、①は四分音符が小さくなっており、③は八分音符が小さくなっているものに射線が入っています。この曲の場合、多くの楽譜では②の譜例のように八分音符が小さくなって書かれている楽譜となっておりますが、①③の譜例のような装飾音符が書かれている楽譜も存在します。(私が持っている楽譜で確認してみたところ3パターンの装飾音符が書かれていました)
それぞれの演奏の仕方は①では装飾音符を通常通りに書かれた四分音符として、②では装飾音符を通常通りに書かれた八分音符として、③では装飾音符を通常の十六分音符として演奏します。


Q3. 小さい音符が二つ以上書かれている装飾音符はありますか?

A3. はい。小さい音符が二つ以上書かれている装飾音符があります。


クシコス・ポスト の譜例

クシコス・ポストの譜例です。この曲では小さく書かれた装飾音符は三つですが、二つ、三つ、四つという具合に多くの小さく書かれた装飾音符は存在します。幾つの装飾音符でも演奏の仕方は変わりません。素早く、滑らかにです。
この場合も和音を弾いているように聞こえてはなりませんので注意しましょう。

この場合の演奏上の注意としてもう一点挙げておきたいと思います。
①②③④を順に演奏するのですが、④まで到達した時に①②③の音の指が鍵盤から離れている状態になっているように致しましょう。特にこの曲のこの場合の音ですと、
ミ ソ シ ミ
と綺麗な和音となって響きますので、ソを弾いた時には前のミは鍵盤から指が離れているようにします。またシを弾いた時には前のソが、最後のミを弾いた時には前のシが鍵盤から指が離れているようにしましょう。

Q4. 装飾音符は右手だけに現れるものですか?

A4. いいえ。左手で装飾音符を演奏することもあります。また両手でオクターブの装飾音符を演奏することもあります。


モーツァルト トルコ行進曲 の譜例

左手で装飾音符を演奏する曲の例としてモーツァルト・トルコ行進曲を挙げました。大変印象的な装飾音符だと思います。(ここの部分はかっこいいですよね!)また譜例は示しておりませんが、バダジェフスカ作曲の「乙女の祈り」の冒頭部分では両手のオクターブで装飾音符を演奏しますし、別の曲では和音の装飾音符も存在します。


Q5. 装飾音符に臨時記号などが付いていることがありますが、何か特別な決まりなどはありますか?

A5. はい。あまり難しいものではありませんが、あります。

装飾音符は、通常通りの大きさで書かれた通常の音符と同様に調号や臨時記号の決まりが適用されます。また、楽譜上に書かれる時の決まりとして、ぼう(符幹)や、はた(符尾)は上向きに書かれます。

Q6. 装飾音符を演奏する時に注意することはありますか?

A6. はい。細かいことですが少々あります。


装飾音符の演奏上の注意

譜例の装飾音符を右手だけで演奏するときには問題にならないことですが、両手で合わせて演奏するときに注意して頂きたいことです。譜例の装飾音符を演奏する際には、
右手・・・ミ ソ シ ミ(1オクターブ上のミ)
ですが、どのタイミングで左手は合わせれば良いでしょうか?
①では最初のミと左手の伴奏の1音目を合わせて演奏します。②では1オクターブ上のミと左手の伴奏の1音目を合わせて演奏します。大変細かいことですが、右手の最初のミと1オクターブ上のミではわずかですが、タイムラグが生じます。どちらで合わせるのかの判断が必要でしょう。その曲が作曲された時代や作曲家によっても合わせるタイミングは違ってきます。最近では②のパターンが多いように思いますが、曲によっては(時代によっては)どちらかが指定されている場合もあるかと思いますので、解説など読まれて判断していきましょう。どちらに致しましても、その曲の中で演奏方法を統一された方が良いでしょう。

Q7. 1小節の内、全てが小さく書かれた音符(或いは数小節に渡って小さな音符が書かれている)の場合、これらも装飾音符と言いますか?

A7. いいえ。(はっきりしたことはわからないのですが)1小節以上続く小さな音符は連符と言った方がいいかもしれません😅

なかなか調べてみたのですが、はっきりしたことがわかりません。しかしながら、装飾音符の概念はやはり「ある一音を装飾する」と考えますとそれほどまでに長く続くような小さな音符は装飾音符と呼ぶには相応しくないのではと思います。演奏の仕方としましては装飾音符のように素早く、滑らかには通づるように思います。この点どなたか詳しい方がおられましたらご教授頂きたいです🙇‍♀️

Q8. 装飾音符が印象的な曲はありますか?

A8. 2曲ご紹介します。

ムソルグスキー 展覧会の絵 より 卵の殻をつけた雛鳥のバレエ
リスト 2つの演奏会用練習曲より 小人の踊り


装飾音符についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?簡単なようで難しい装飾音符ですが、少しずつ綺麗に華麗に入れられるように練習していかれることを願っております。

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