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【20.楽典のこと✏️】強く弾く・弱く弾く

今回の記事は強く弾くこと、弱く弾くことを取り上げます。いわゆる強弱記号というものです。

強弱記号のイメージ図

ピアノを始めて間もない方が初めに強く・弱くという記号を目にされるのはイメージ図にあるような記号ではないでしょうか。ピアノ・フォルテ・・・など強弱記号と言われるものだけでもざっとみてこれくらいはすぐに挙げられます。その他にもただ単に音の強弱を表すだけでなく、ニュアンスを含む記号もありますので非常にたくさん存在することになりますね。

イメージ図を説明していきます。
まず真ん中の色付きの記号ですが、これらは最も一般的な強弱記号です。
ピアノ・・・・・弱く
メゾピアノ・・・やや弱く
メゾフォルテ・・やや強く
フォルテ・・・・強く
という意味ですが、文字だけを見ていてもあまりイメージが湧かないと思いますので、それぞれに色をつけてみました。左側から右側に行くに従って、色が濃くなっていくように、音の強さも段々と大きくなっていきます。逆に右側から左側に行くに従って色が薄くなっていくように、音の強さも段々と小さくなっていきます。ピアノやフォルテのp,fの文字が多くなるほど音が弱くなったり、強くなったりします。私たちも大好きなものがある時「だーーーーーーいすき!」といった具合に「ーーー」をたくさん使用しますね。これと同じような効果があると思います。実際に楽譜の中でpppp,pppppのような記号が見られますが、弾き分けるのは困難ですね😅逆のffff,fffffも同様です。初心者の方が扱われる楽譜でしたらこのような記号は見られないかもしれませんが、ピアノが上達して色々な楽譜を見られたときに遭遇するかもしれませんね。

楽譜の中であるタイミングの場所でフォルテがついていた場合、大抵の場合は次の記号が書かれているところまではそのフォルテで演奏することになります。それは1小節間だけのこともあれば、数小節にわたってフォルテであり続けることもあります。小さなお子様が弾かれるような曲ですと最初にフォルテが書かれていてその後一度の変更もないまま曲が終わるということも多々あります。また曲の構成上繰り返しが行われるような場合には1度目に弾かれるそのフレーズはフォルテで繰り返した後に弾かれる時にはピアノで演奏するということも多々あります。どのタイミングでどの強さで演奏するかは楽譜上で全て指示されていますのでそのように演奏されれば良いでしょう。

クレッシェンドやデクレッシェンドについては1小節分で段々強くする・段々弱くするということもあれば、こちらも数小節にわたってあるいは数段にわたってということもあります。その場合にはイメージ図にあるような記号では書き表せない場合もありますので
cresc・・・endo
cre・・・sc・・en・・・・do
など単語を分けて書いたり
poco a poco crescendo(少しずつ)
と文章のような指示をしたりします。
またデクレッシェンドと同じ意味の別の記号がありますので紹介しておきます。
dim. ディミヌエンド
といいます。こちらも非常によく使われますので覚えておきましょう。
クレッシェンドやデクレッシェンドは一音毎にp,mp,mf,f(またその逆)と強くしていったり、弱くしていったりすることもありますが、一小節ごとに段階を踏んでいくこともあります。その記号が指示されている箇所によりますのでよく楽譜をご覧になりどのようなパターンで強弱をつけていくのかを考えていきましょう。

アクセントとスフォルツァンドについてお話しします。
どちらの記号もその音を特に強く弾くという意味があります。では2つの記号にどのような違いがあるのでしょうか?あるメロディの部分にmpの指示がされている箇所がありましたが、その中の一つの音にアクセントが付いていた場合その音はmpよりも一段階強いmfで演奏することになります。またこの音にスフォルツァンドが付いていた場合はmpより二段階強いfで演奏すれば良いでしょう。また別のメロディの中でppの指示がされているところにアクセントの指示がある音があればppよりも一段階強いpで演奏する、その音にスフォルツァンドがついていたならばppよりも二段階強いmpで演奏するということになります。あくまでもイメージ的なものなので杓子定規にならずに考えて頂きたいのですが、どのような違いがあるかと問われればそのようなものだとお答えします。


ここからは少し発展的なお話をいたします。【19.楽典のこと】スラー・タイ・スタッカート・テヌートで何も指示のない楽譜を演奏するときのことを以下のように解説いたしました。

この基本のメロディには何の記号も付いていません。これを弾く時にはどのように弾いたら良いでしょうか?自分勝手に弾いていって良いのでしょうか?何か決まり事があるでしょうか?いろいろ考えてしまいますね。私の考えでは、この基本のメロディを弾くときには楽譜の通り何の記号もないまま弾けば良いと思います。それが何の記号もつけなかった作曲者の意図だと思うからです。では何かしらの記号があった場合はどうでしょうか?もちろんそれが作曲者の意図なのですから、忠実に再現する必要があると思います。ではそんな作曲者の意図とは何でしょうか?「このメロディは滑らかに弾いてほしい」また「このメロディは弾んだように弾いてほしい」など言葉には表されていませんが、記号に託して表現されています。

【19.楽典のこと✏️】スラー・タイ・スタッカート・テヌートより

がピアノをよく学習なさって作曲者の意図が掴めてこられていた方でしたら、楽譜の通り何の記号も指示もないまま演奏するのは間違いであるとお分かりでしょう。ピアノが上達して様々な楽譜で演奏されるようになれば作曲者の意図とは別に、演奏の慣習や、一般的な曲の解釈や、フレーズの抑揚などを考慮して記号や指示が書かれていない場合であってもある程度ご自分の解釈を入れ込んで演奏することになります。小さなお子様が辿々しく演奏される曲と、プロのピアニストが演奏される曲の違いはやはりこうした記号に表れない演奏の極意のようなものの違いではないかと思います。私たちはどなたかの演奏を耳にするとき(プロの方ではない方の演奏)その記号に表されていない抑揚や解釈や間合いなどによってその方の曲への理解度や学習の深さを知ることになります。少し難しいお話ですが、楽譜の中に書かれていない指示や記号を読み取ってご自分なりに解釈して演奏に落とし込むことができるようになるまでには多少お時間がかかると思われます。またご自分なりにといったことが先生や(音楽世界一般的に)のお耳にはどのように聞こえるでしょうか?それは明らかな間違いなのか斬新な素晴らしい演奏なのかその判断がご自分でできるようになるのもやはりそれなりの努力が必要でしょう。ということで引用しました通り、これからピアノをはじめられる方にとりましては先ずは楽譜の通り指示されたことができることを大前提として練習をされ、様々な演奏の慣習や、一般的な曲の解釈、フレーズの抑揚などが理解し、演奏できるようになるまで少しずつ進めていかれることをお勧めいたします。


最後までお読みくださりありがとうございます☺️最後は少々説教くさくなってしまいましたが、19の記事を投稿した後気になって仕方がなく、記事を訂正するのも何か違うと感じて今回の記事で補足説明させて頂く形になりました。また次回の記事も全力投球でいきますのでよろしくお願いします🙇‍♀️

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