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【9.楽譜のこと🎼】教本・教則本ノススメ

これから小説を書こうとしている人がいます。この方は文字を書くことも出来ませんし読むこともできません。そんな方が小説を書こうとしている場面に遭遇したら皆さんはどう導いて差し上げますか?

まずは文字についての知識を授け、単語について、そして文章を書くには文法についての知識も必要だということを説明されることでしょう。そのうちに「小説を書くにはこんな方法もあるよ。」とか「こう言った筆記用具の方がいいよ。」など思い付かれるかもしれませんが、最低限必要な知識は文字、単語、文章、文法などの基礎知識だと気づくことでしょう。

この必要最低限の知識がピアノ(音楽をはじめるに当たっては)にとりましても重要です。その必要最低限の基礎知識を習得するのに適した教材が教本・教則本(以下まとめて教本と呼びます)ということになります。先の例えで言えば全く文字も単語も文章も知らないお子様が小学校に上がって教科書で学んでいくようなものです。簡単な文章が理解出来るようになれば絵本などの簡単な本が読めるようになります。簡単なものの理解が進めば簡単な文章が書けるようになるでしょう。そう考えれば教本を進めていくのが最も合理的で効果的なように感じます。

小学校での教科書・・・・・・・・・・・・・・・教本
小学校の教科書に沿った演習問題集・・・・・・・教本併用レパートリー集
中学校での演習問題集・・・・・・・・・・・・・ツェルニーなどの練習曲集
ストレッチ、筋トレ(学習ではありませんが)・・ハノン

このように考えますとイメージしやすいかと思います。

皆さんがピアノをはじめたいと思われたきっかけが「あの曲が弾きたい」「この曲を弾けるようになりたい」ということであれば、教本の中にそれらの曲が含まれているとは限りませんし、併用のレパートリー曲集の中で掲載されていても皆さんが弾きたい曲のアレンジではないかもしれませんので、「こんな教本なんてやるだけ無駄」と思われるかもしれませんが、是非ご一考ください。

ここで大人の皆さんに教本を進めるに当たっての注意点を少々お伝えします。

1.教本は大抵の場合シリーズ化されていますので、一つのシリーズの教本を選択しましたら初級が修了するところまでは同じシリーズの教本を使用するようにしてください。他のシリーズと混在しますと同じ内容が繰り返されたり、逆に必要な内容を習得しないままになってしまいます。

2.教本の中にはシリーズで5巻まであるというものもありますがシリーズの中で初級に相当するものまでで大丈夫だと思われますので、興味がある場合を除いて全巻揃える必要はありません。シリーズの後半の巻では教本ではないレパートリー曲集などに掲載されている曲にチャレンジできるくらいの腕前になっているはずです。

3.教本で習得したテクニックをもう少し違った曲で演習したいという方は、是非併用レパートリー集を進めてください。こちらも併用ですので2.同様に全巻揃える必要はありません。

4.大人のための教本は習得すべき内容は変わりありませんが、説明の方法が様々です。鍵盤の図により弾く位置を説明しているものや、その教本独自の記号を使用している場合もあります(一般に音楽記号として使用されていない記号)のでご自分に合った教本を入手してください。例えばドレミのフリガナが振ってあるものも多いですが、フリガナがなくては音がよくわからないという方にとってはありがたい教本ですね。

5.「大人のための・・・」にこだわらなければ「子供のための・・・」も案外使い勝手の良いものもあります。子供のための教本の方がたくさん種類がありますし、お子様向けなので言葉もわかりやすく、音符も大きく書かれていますので、抵抗のない方にはお勧めです。

6.教本はあくまではじめに基礎知識を学ぶためのものですから、なるべく時間をかけずに手短に終わらせるようにしましょう。この基礎知識の部分に時間をかけすぎるとご自分が弾いてみたい曲に辿り着く前にピアノへの興味がなくなってしまいそうです。練習できる時間に制約がある場合が多いと思いますが、楽譜を入手してから30日以内(遅くとも60日以内)までには基礎知識は習得済みになるようにしてみましょう。


教本への興味が湧いてきていただけたら幸いです。弾きたい曲に向けてスタートダッシュといきたいところです。本記事も最後までお読みくださりありがとうございます😊次回もまたよろしくお願いします🙇

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