変化を受け入れ学び続ける(その2)
社会人が仕事経験や仕事時間以外で学ぶ場はたくさんあると思います。今日は、大人にとっての「学校教育」と「学校以外の場での学び」について、「情報インプットの場」と「情報アウトプットの場」の視点で書きます。
前回記事からの続きです。
情報インプットの場
「学校以外の場での学び」としては、本を読んだり、ビデオを視聴したりというすき間時間での手軽な学びがありますが、ここでは一歩進めて、学びの「場」を求める場合を考えます。講座や研修へ参加する、著名な方の講演へ行く、などもあります。知らなかった多くの知識を得て豊かな気持ちになれます。
でも、それって、本当なの?
自分は、知ることで満足なのか?何に安心しているのか?
というのが、今回の話のスタートポイントであり、あえて時間を作り学びの場を求める時に「学校教育」を求めた理由です。
情報アウトプットの場
私の場合は、興味を持った内容が、ヒューマンリソース (HR) に近かったので、学びの場にたどり着くまでは、かなり迷走気味でした。というのも、大学は理系学部出身で社会人としての経験上、IT系企業での製品開発や技術系コンサルティングしかありません。文系の大学や大学院となると門外漢過ぎてどうしたものか、ということになりました。
仕事をしながら通う、という前提で探すことになります。
「社会人」「大学院」などのキーワードで検索をすれば、そういったことのまとめサイトなどもありますし、学校ホームページ等で求める人材や教育環境、学生構成などは確認できます。
ただ、インターネット越しの情報から集まる多くは、ビジネススクール (MBA) でした。確かにキャリア初期であればマッチしているのかもしれません。しかし、キャリア後期の自分からすると仕事内容となんら変わらない内容。
そんな中、確か12月だったように記憶しています。もう半ばあきらめかけていた時です。ある講演会で登壇されていた先生に質問しました。情報アウトプットができる環境を知りたいです、と(実際は「HR系で論文を書きたい」と言いました)。
急な決断でした。その先生に薦めて頂いた大学院の入試情報を確認したところ、まだ最終回の試験日があるようでした。そこから、2か月弱の準備ですべり込み受験を経て入学、怒涛の生活を送り、今、2年間の修士課程を終えたということになります。
そして、大学院入学後、ある先生に紹介された上野千鶴子先生の「情報生産者になる」は一気読みし、引き込まれた記憶があります。
「すでにある情報だけに頼っていてはじゅうぶんではなく、自らが新しい情報の生産者にならなければなりません」(上野)
そう、まさに、学校教育(=ここでは大学院)が、情報アウトプットの場だったのです。
しかし、情報アウトプットとは、たやすいことではありません。質の良いアウトプットのためには、良質、かつ網羅的な情報インプット、そして自己の研究の熱意無しには不可能であることを思い知ることになるのでした。
(次回につづく)
参考文献
上野 千鶴子.「情報生産者になる」(ちくま新書)
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