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大人もファンタジー。


そこに18禁が加わるだけで、大人だってファンタジーが好きなんじゃん。  
リバイバル・ヒーローに大人買い、恋の花火はトキメキを火遊びに置き換えて、ちゃっかりファンタジーをカモフラージュ。
 大人の装いは、見栄の服飾?

大人の童話は、過渡期の言い訳なのかもしれないね。
向かうは、ファンタジー・アダルトの人権獲得ってところかなぁ、違うかなぁ?
人権獲得はいまの流行りなことだしさ。 

 違うよ。違うんだよ。成長できない大人が増えたなんて言ってない。 
大人が幼児返りしたなんてことも聞いてない。
今の大人は、完成形の道の渦中にいることを知っただけ。
だからほら、偉そうに鼻を高くする人、減ったっしょ?

ねえ、『ドクター・ドリトル』観た? 
タイトルが童話読者向けなもんで鼻であしらわれがちだけど、読んだ者にしかわからない狡猾な仕掛けがあざといよ。

ロバート・ダウニー・Jr.主演、スティーブン・ギャガン監督のいちばん新しい上映版。

ドリトル先生 映画館

スタビンズくんも昔話にありがちな靴屋のせがれから、動物愛護時代にふさわしく、猟を嫌う猟師の息子に役柄変えてるし、サル(モンキー)のチーチーも、知識細分化時代にピントを合わせて、原作にのっとってマントヒヒに近い配役をもってきた。 

読んでない者にしかわからない仕掛けは、読んだ者との間に渡れぬほどの線を引く。 

ドリトル先生 映画館と読書

えっ? 話の流れからすれば、読んだのが大人だと決めつけてるみたい、ですって?
だよね。
読破したのは大人とは限らない。
まさにそのとおり。 

でもさ、読んできた子どもは読んでこなかった大人よりも成長してるものかもよ。

ね、気になるものだよね。
大人は、子どもと違うと思いたいものね。子どもとの間に線を引きたくなるものだよね。成長したら大人だと認めてもらいたいものね。いつまでもファンタジー・チャイルドやってられないもんね、体裁あるから。 

しかぁし。ファンタジーは「逆18禁」じゃない。
ファンタジーがピュアゆえ未熟の象徴なら、ひと夜の幻花を咲かせる演歌や不埒な恋は成り立たなかった。そこに18禁が加わっただけで、土台はファンタジー。  

気づいてた?
いくつになっても、人はきっと心にファンタジーの火種を残してる。 

いいじゃない、ファンタジー好きの大人を公言したって。
楽になっちゃいなよ。
成長した者には、成長した者なりの声が出せるんだからさ。そいつを聞かせてあげられるほうが、素敵な大人の香り醸せるってもん。 
違うかな?


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