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風が通り過ぎて行く前に。
風が通り過ぎていくように、あっという間だった。
鉄壁の壁で囲まれた安泰の幼少期もそうだった。青が基調の未熟な果実を追う爽快な酸味の時期もそうだった。
風は吹き、通り過ぎていく。
愛と風のように。
振り向けば風の通り道が見える。だけどそこにあの風はもういない。風はいつだって頬を撫でたそばから手の届かない未来に行ってしまう。
今年の大型連休も間もなく通り過ぎようとしている。
あますところ本日1日限り。
風が通り過ぎていく前に。つかまえられる今日がある、きっと。
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