涙のフライドポテト。
画面の片隅に腰を降ろすスーツの男が、指に挟むタバコから仕入れた煙を吐き出し、空いた画角を埋めていく。
よく見ると、手に持つものはタバコじゃない。
フライドポテト!
男は火のついた1本のプライドポテトを吸っては、煙で白に黒を滲ませていく。咥えられた1本のフライドポテトは、吸われ、口元から離され、いっぱいに吸い込んだエキスを膨らませた肺から吐き出し、ひと吹きごとに染めていく。
お茶を濁し煙に巻いた、Sに統一されたmacのポテト。悪夢のような現実は、ひと月ほどで収束すると言うけれど。
味わってひと口ずつ。タバコのみたいにちびちびやるポテトかな。小さなアクシデントが、瞬間の人生を左右する。
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