タクシードライバーの運転者。
文章の妙に腐心の跡は見受けられなかったけれども、ゆえにメモに追われることなく、展開の妙味にしてやられ、文字量の少なさに背中を押されたこともあって、一気に読み切ってしまった『運転者 未来を変える過去からの使者』(喜多川泰)。
この手で読ませるアイデアの構築力、さすが。
アナログ時計が12時間で戻ってきては、繰り返すようでいて今日とは違う明日につながっていくように、別個の流れが妙に自然にバトンを渡していくその連鎖具合が小気味よく、感情がパタパタと傾倒していってしまいました。
読みながら、つい水前寺清子のあの歌を思い浮かべてしまったかなあ。
♪幸せは 歩いてこない だから歩いて行くんだね
歌は3歩あるいて2歩下がるけど、本は3歩下がって2歩あるくと説く。
なぜかって?
それは読んでのお楽しみ。
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