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つい。

 ソイツが現れると、つい夢中になってしまう。

 そんなことって、ときどき起こる。

 忘れていた100円玉をジーンズのポケットに見つけるみたいに、あるいは調子の悪いラジオが意を決したように鳴り出すみたいに、ソイツは瞼の裏側から身を翻して現れる。

 現れたが最後、飛びつかずにはいられない。でなきゃ、こんな中途半ばな深夜と暁光の端境期に投稿なんてしない。
 つい、閃いた図案があったから。今、描き留めておかないと、夢の波間に消えていくことがわかっていたから。

 あなたにも、そんなこと、あるでしょう?

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