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猫の手は女の手?

「猫の手も刈りたいって言うから貸してやったのに、まさか猫に手を挙げられるとは思わなかったよ」猫タクシーの運転手


 
 世の中、労働の担ぎ手が足りないと嘆いてる。昨今は老人力の活用も進んでいるようだが、足枷となる働力もあって、飲食店や小売業の現場で彼らより若い労働力に叱られている姿を見かけることがある。これがフレッシュな高校生・大学生アルバイトならああもキツく叱られないだろうに、人生の経験者は経験に見合った分の働きを期待されているのか、容赦ない。もらえる給金は学生諸氏と変わらないはずなのに、体力気力の折り返し地点をとうに過ぎた身にとっては酷な要求のようにも思われる。

 そういえば、叱られる老働力はほとんどが男性だった。叱られる老人は女性にもいることはいるが、比率は男のほうが圧倒的に多く、少数派でも女性は男性と違って叱られても肩身を狭くしない。ふた昔前に「オバタリアン」と称された女性のほうが、人生の道を行くが屈強にできているからだろうか。叱られやすい特性を持つ女性を含めて、社会が求める猫の手に女性の老働力が合致していく。

 男性偏重は見本とならなければならない政府もあの体たらくで、女性軽視は相変わらずの潮流と思っていたが、なんの、ちゃっかり逆転劇は街のそこここで起きていたんだね。
 
『下駄は履いてみるまでわからない』とは、男尊女卑が当たり前の時代から言われてきた世の常、人の常。社会を肩で風切って闊歩するのは男で決まり! なんて時代錯誤なまんまでいると、そのうちバッサリと存在価値を叩っ斬られてしまうかもね。

 社会との関わりを保つための老働力もあるけれど、経済循環の波にしがみつくための老働力もある。老働力世界の逆転劇で痛い目に遭わないために、下地づくりは念入りに進めておいたほうがいいかもしれませんぞ。

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