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空回り。

 天体が、星を散りばめたプラネタリウム・シート全体を動かすみたいにして移動するのを見て「それでも地上は回っている」ことを 指摘した人ってすごい。月だけが例外で、それ以外は一緒になって動いているってことを発見したんだぜ。これをすごい!と言わずになんとする。

 それに対して、いわゆる偉い人▼▼▼が下した判断は、天動説を説いた者を裁判にかけることだった。
 偉い人って、そんだけのものだったんだね。

 尊敬できる上司もいるよ。でも、そうでない上司のほうが比率でいえば圧倒的に多い。どんな功績あげて出世したかは知らんけど、過去の実績より部下が見ているのは「今の上司の実力」なんだよね。
 ねえ、そこの上司諸氏、部下に誇れる生き様見せてる?
 どれだけ会社に貢献した過去があっても、今の上司が尊敬できなけりゃ、そりゃああーた「ついていきます」なんて嘘でも言えやしないんだよね。
 会社で偉そうな顔してる人の半分強はそんなもん。

 年功序列で歳をとった我が身はどこへいくのやら? 少数派の出世コースにたまたま乗れるかもしれないし、マジョリティの窓際が待っているかもしれないな。新卒で入社してきた若手の面倒をあれだけみても、時代は残酷。いとも簡単に立場なんてひっくり返る。呼び捨てにしていたあの部下たちも、⚪︎⚪︎部長、××課長、△△さんと媚び諂う日々がやってくる日がやってこないとも限らない。

 出世も時の運。時代の気まぐれで大当たりをつかんだら? 
 人間、奢っちゃいけないね。渡る世間は鬼ばかり、当然、逆転劇の穴ボコ街道、だから平常心で塞翁が馬を考える。明日の我が身を窓際で桜のように散ってった多数派の先輩諸氏に重ね合わせながらね。

 仮に出世できたって、過去の栄光だけで威張っちゃいけないものなのよ。威張って張った胸も、部下からすれば、所詮は宙空を無闇に空ぶる虚勢の張りぼて武士、やってること、言ってることがいつの頃からかズレてきて、スカッと空回り、時間が経てば差異はどんどん広がって、ついには大振り、大空振り。きっと部下は目の届かない影にまわりこみ、こっそり「偉い人ってあんなもん」と悪口言うに決まってる。

 ねえ、戦争って、本当に必要なの?
 偉い人って、なんかこう、もっといいことするもんじゃなかったの?

 世界情勢のドンぱちニュースを見ていてつくづく思う。だだもれみたいに隣国にミサイル打ち込んでも、なんにも解決なんかしないじゃない。世間は気づき始めているんだよ。現実は何かが違ってきていることにね。知らぬは偉い人ばかり。ま、偉い人ってそんなもん。偉い人の決めることって、しょせんはあんなもん。なんで偉い人を取り締まるもっと偉い人っていないんだろ?

 ガリレオが今の世に現れたら、きっとこう言うに違いない。「それでも地球の人は間違っていく」。

 ああ、悲しき人類の空回り。

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