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一八十八九。

 夢の実現はゴールだ、到達点だ。どんな小さな夢でも、描いた夢が実現するとひとつのゴールを迎えたこととなり、決めた目標に到達したことになる。
 
 だけど、言葉が伝える意味合いほど、嬉しさがない。「やったぁ!」とガッツポーズのカンドウがない。達成感不足なのだ。
 
 それは何て言えばいいのかな、叩き売りされた夢を実現したような、というか、既視感の再現というか、出来レースに乗せられていたような、というか。
 
 それはもしかしたら、達成可能な夢だけを選ぶようになっていたせいかもしれないね。労多くして実りを取り損ね、無駄足ばかりを積み重ね、徒労に終わり路頭に迷い続けてきたことで、精神が危険な夢への領域侵入に対する拒否権を発動してる。
 
 我が身を抜け出して自分を傍観すると、一か八かではリスクが大きすぎるから、十中八九を狙ってきた自分が見えた。達成感の波が盛り上がらず凪のゴールばかりが増えたゆえんはそこにある。
 
 これでいいのか?
 
 安泰を選ぶのも道。荊を選ぶのも道。中途半端では凪を抜け出せずに、さざ波程度の刺激に終わる。

【じきゴールだっていうのに、嬉しそうにしてないねえ】

 そうこうしているうちに、高鳴りのない1万歩を今日も歩き、目標であったメルカリ3000円の売り上げにも達した。
 
 うむ。
 描く夢が小さすぎる。リセットが要る。

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