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「音ゲー上手い自分」が「解釈違い」な話 ~音楽ゲーム初めたての誰かへ、あるいは数年前の自分へ~/かりんとう

はじめに

こんにちは、かりんとうです。月刊オトモではお久しぶりですね!
……などと挨拶しようとして、「前回の記事、今の自分がどんなことしてるかの話を全然してないのでは?」と気付いてしまいました。ここに来る前から文字を打っちゃ投げしていた事すら書いていなかった。よくみたら「書いた人」欄にすら載せてないです。

というわけで簡単に現在の活動を述べますと、普通に音ゲーマー活動をしながら(最近は色もといイブイベントへ出向きながら)なにがしかの文章を書くことを趣味、もとい代謝運動の一環にしており、サントラの感想であったりイベントの感想であったりをたま~に綴っては、色んな場所にばら蒔いています。
つまり「オトモ」はさしずめ出張場所といったところでしょうか?
でも書いている時の意識は割と別物ですし、私もあえて違うものを書いていきたいと思っています。主にプレーヤーとしての日記になる予定です。方針を固定してしまうと動きづらいので、あくまでゆるい目標で。

それじゃあ日記を書こう!と発起した際、とある事象に悩まされているのを思い出しました。最近どうやら俗に「解釈違い」と呼ばれる、イメージとリアルとのズレを感じているようなのです。

それも、自分に。
難易度帯の中で強判定を受けている曲をクリアした喜ぶべき場面で「詐称譜面と評判なのに一発で越せちゃったんだが……?」とか思ったり、
大好きな曲の最高難易度を初見で倒した時に「クリアしちゃったよもっとこの曲と戦いたかったんだが?!」とか、思ってしまうんですよ。

というわけでこれより本題。
あまりにも成長経線が高すぎて、すごい勢いでレベルを上げていってしまう最近の自分が、解釈違いでーす!!(???)

振り返り:解釈違いが起こるまで

この謎の感情に気付いた当初、私は酷く混乱しました。
基本的にどんな曲も譜面も体験も楽しんでいただいてしまい、解釈違いは滅多に起こらず、また起こさないような付き合い方をしている私の最初のどデカい解釈違いが「私が音ゲー上手いこと」って、どういうことですか??……と。

しかしイメージがズレているというのなら、上手い自分が解釈違い「自分はそこまで音ゲー上手くないよ」という固定観念がどこからか芽生えたということ。それが分かれば、このイメージを払拭出来るはず……!
そんなわけで少しの間、回想にお付き合いいただければ幸いです。煩わしい方は目次からスキップしてください。

2018年、前回記事(ごあいさつ(かりんとう 自己紹介)|月刊オトモ|note)の通りにBEMANIシリーズと出会った私ですが……本当に何もさせて貰えないような、初心者でした。
出会った音ゲーがポップンミュージックというのもあって、ばらばらに降ってくればそれだけでゲージが溶けます! だからなるべく同じレーンに降ってきてくれ、ポップ君!! という状況から始まった訳です。
そこからモチベーションを絶やさずどうにか慣れるまで続けられたのは、初めから「気になっていた曲」が決まってた事、その曲がノーマル譜面すらろくすっぽ太刀打ちできないボス曲だった事が大きいかな、と思います。

動画等で好きになったのにボコボコにされた曲のひとつ、『Innocence / ZERO+ZIBA』の当時のリザルト
おおよそ半年後、こうなりました

この頃は「ボタン配置に慣れさえすれば!」という面も強く、順調に最高クリアレベルを開拓(と自分は呼んでいます)していきました。

しかし、成長を感じられなかった期間もあるもので。
レベル40をクリアしてからしばらく(概ね数ヶ月~半年以内ぐらいの期間)41をクリア出来なかった時期、42をクリアしてからしばらく43に上がれなかった時期がありました。

この記事を書くにあたって過去のリザルトを見返したら、なぜ “成長の見られない時期” なるものが存在していたかが見えてきました。
そもそも自分に自信がなく「自分に上のレベルができるわけが無い」と思い込んだ選曲をしていたり、他機種にかまけるなどして頻度にムラがあったり。
停滞の要因は意外とシンプルなものだったりして。

ですが今回はそんなのはどうでもいいんです。
重要なのはその頃の記憶が、今の「解釈違い」の基幹であるということなので………。

分析:イメージのズレが起きた理由

続いて解釈違いの原因、イメージのズレについて、分析していきましょう。環境から自己の感情まで、振り返ってみれば

そもそも音楽ゲームは個人種目ですが、ネット上には譜面に対する集合知的な情報が集められ、同じレベルの中でどの曲が難しくどの曲がレベル値のわりに簡単か、という情報が転がっています。ただし音ゲーは個人差の激しいゲームで、時に他プレイヤー個人はおろか、ネットの平均的な意見すら大抵ある程度までの指標にしかなりません。
ならないのですが……見てしまったからには、一種の判断基準になってしまうので……。
先の上のレベルができるわけが無いという思い込み同様、「今はまだこんなに難しいと評判の譜面は出来ないだろうな」と考えてしまっているみたいです。

また音楽ゲームは楽しむことを第一にできるゲームですが、ゲーム性を担保する為にクリアボーダーやランクが設定されています。
実際は自分の中で、機種ごとに「とりあえず超えておきたい目標」が設定されています。クリアもそうですが、ボーダーが緩い機種(ノスタルジアなど)では、私はとりあえずSランクを目指して演奏していることが多いです。
推し曲やボス曲、自分で解禁した曲といった、思い入れの強い曲であればあるほど、とにかく真っ先にそれをクリアしたい気持ちと「できるだけ長く楽しみたい」気持ちが共存しています。2つの感情は相反するものではありません。が、音ゲーを知るにつれ、クリアするため何度も挑むことが楽しみのひとつになった節があり……どうやらこれが悪さをしているようです。

ランクを重視する機種でも、予想外にスコアが伸びると「嘘だろ…」になりがちな人 難儀

序文で述べた例における感情を解剖しましょう。
「詐称譜面と評判なのに一発で越せちゃったんだが…?」と思うのは、自分の実力の過小評価とネット上の評価の過大認識によるもの。
大好きな曲やボス曲の最高難易度を初見で倒した時に「クリアしちゃったよもっとこの曲と戦いたかったんだが?!」という思いは、クリアを通常の目標と捉えている中 でそれをすぐに失ってしまった虚無感ゆえ。

なんというか、今の自分がどういう思いで音ゲーと向き合っているかが丸分かりですね。闘争より良い勝利への過程しか求めていないからこんな事になるんです……。

まとめ:音楽ゲーム初めたての誰かへ、あるいは数年前の自分へ

ぶっちゃけこの話にオチはありません。
標的だった曲で、あっさり目標をクリアしてしまったことに「寂しい」という感情こそあれど、そこで終わりではないのが音ゲーなのはご存知の通り。

けれどそもそも「解釈違い」に陥った理由、過去の記録に囚われがちだった理由は、「下位譜面を遊んでいた頃もそれはそれで楽しかった」からなのかもしれません。
音ゲーをやると遊んでいる機種への対応力だけでなく(根源的なリズム感や、ノーツに反応する能力など)音ゲーそのものへの地力が付くとはよく言われますが、それは「強くてニューゲーム」の状態から戻ることは出来ないのと同義。
昔は早く上手くなりたいと思ったものですが、こうしてちょっとでも上手くなってしまうと、本当になんの地力も知識も持た無かったあの頃の自分の記憶が薄れて、逆に「その時にしか得られない楽しさ」のことを思って羨ましくなった……。
そんなセンチメンタルな感情が、解釈違いを生んだ可能性もあるのでしょうか?

更に言えば(惰性で続けてるつもりは毛頭ないですが)万に一つ全クリしてしまった時に、興味が完全に離れてしまいそうで怖かった。しつこく書いていますが曲が主目的なので「ないわ~」としつつも、頭の片隅では不安だったんです。
でも最近はjubeatやノスタルジア等でのスコア詰めまたはフルコンボ狙いが楽しい自分もいたりするので、ようやく杞憂ではあると思えるようになってきたところです。
どうしてもそれなりの難易度でハイスコアを狙うのは上級者の楽しみ方になりがちで、その楽しみ方をする段階にいなかったことなどが不安の種だったかもしれません。

四つ打ちのリズムをぺちぺちして楽しんでいたのが、いつの間にか8分のリズムにも、16分のリズムにも追いつくようになったり。絶対出来ない〜!! って喚いていた3つ、4つの同時押しに順を追って対応出来るようになったり。
鈍足でも爆速でも、成長は1歩ずつなんだと考えること、それがイメージのズレを溶かしてくれているのかなと。自分で首傾げてたら世話ないので、正しく成長を楽しめる音ゲーマーになりたい!! ねじ曲がってるんですよね目標の方向性が。

・初心者の頃にしか競り合えない譜面と存分に戦って沢山思い出を作ろう
・上手くなろうと頭の片隅に置く程度にでも思って遊んでいれば、気付けば1歩ずつ上手くなってる
・音ゲーが上手くなれば、他機種だろうと上手くないなりに楽しんでた頃には戻れない(例外あり)から、今を楽しんでいけ

音楽から入り気付けばゲームに夢中になった昔の私、あるいは昔の私のような初心を持つ方々へ。私は以上の事を伝えたい。
とっても変な中身ですが、せっかく日記をネットの海に残すなら私はこんなボトルメッセージを残しておきたいなと思ったのです。

でも自分の蛮族度はやっぱりちょっと行き過ぎていると思います

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
個人で書いた趣味文共々、以後お手柔らかにお願いいたします。



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書いた人:かりんとう
リズムゲームにやんわりと囲まれた幼少期を過ごし、高校時代からはGROOVE COASTERを目当てにゲームセンターへ通い始める。現在はpop'n music・ノスタルジア等BEMANIシリーズを中心に、媒体を問わず浅く広く楽曲を楽しむ一般音ゲーマー。

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次回の更新は12月3日(土)「ポップンミュージックに村を焼かれた人/矢澤」の予定です。お楽しみに!