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終わりそうで終わらないゲーム、ポップンミュージック/アズニィ

皆様こんにちは、アズニィと申します。

突然ですが皆様は、好きなゲームがサービス終了してしまった経験はおありでしょうか。
僕はあります。いっぱいあります。
その中でも最初にそれを体験したのは、2002年7月26日のことでした。
そう、『beatmania THE FINAL』の稼働日です。
『SYNTH 1997』『fellows』『birdman』『one seek』と色濃く物事の終わりを印象付ける収録曲たちをプレイした時。
プレイヤーへの感謝と、「もっとスペックがあれば」とやり切れなさを滲ませるハイスコアランキングのデフォルト名を見た時。
『LOVE D RIVE』の歌詞に登場する「You」が指すものが「beatmania」であるとどこかで聞いた時。
僕は初めて「好きなゲームが終わる」という悲しさを経験したのだと思います。
その直後の2002年12月25日には『DanceDanceRevolution EXTREME』が稼働しました。
初代の爆発的ブームを支えた『BUTTERFLY』や『IF YOU WERE HERE』の復活。
DDRの稼働年・シリーズを支えてきたNAOKI氏が多用するジャンル名をそれぞれそのまま曲名にした楽曲『1998』『HYPER EUROBEAT』。
作中最後の解禁曲でもあり、ゲームタイトルがそのまま曲名となった『DanceDanceRevolution』、そして過去の譜面たちを繋ぎ合わせて作られた当曲の鬼譜面。
やはりこちらの作品も、シリーズの取りまとめとなる曲や終焉を示唆するような曲たちが多数収録されており、(後に復活するのですが)ふたたび好きなゲームが終わる悲しみを背負いながらプレイすることとなりました。

さて、ここまで五鍵とDDRのお話をしてきましたが、今回の本題はポップンミュージック。
終わりそうで終わらない、僕の最推しゲームの話をしていきます。

1.ポップンミュージック10

ここまでで「好きなゲームにもある日突然終わりが来る」と学習した当時高校生のアズニィ少年。
2003年に稼働した本作に、終わりの影を感じて怯えることになります。
その理由が、店舗対抗イベント『お星様にお願い!』でした。
ユーザーからのお願いを隠し要素として満載し、「NAOKIさんにDDRのメドレー曲を作って欲しい!!!」というお願いから『DDR MEGAMIX』、「Des-ROW先生とTaQさんにジョイントして欲しいころ。」というお願いから『Jack』など、当時の視点だとありえないと思っていた夢のコラボ楽曲たちが収録。
中でも、『Votum stellarum』の存在が僕に「ポップン、終わるんじゃないか?」と一抹の不安を抱かせたのです。
beatmaniaIIDXを代表するコンポーザー、dj TAKA氏とポップンミュージックを代表するコンポーザー、wac氏の二人による合作。二つのビッグタイトルが交わる、信じられないほど豪華なコラボ楽曲として現れたこの曲。
荘厳で美しく、星々の願いを冠するにふさわしい神々しい曲調。
ポップン創世の神たるMZDが初のオリジナル楽曲の担当キャラとなるも、敗北アニメでは光となって消えてしまう……。
こういう言いかたをすると、今にもポップンが終わっちゃいそうな気がしません?
ただこれはまったくの杞憂でした。ポップン11のロケテ情報が流れてきた時、当時の僕はほっと胸を撫で下ろしたものです。
そこから5年ほどは、「終わらないだろ……多分」みたいな顔をしてポップンをプレイしていました。
そう、あの日までは。

2.ポップンミュージック16 PARTY♪

「うわあああああ最終作だああああああ!!!」
僕がロケテ情報でサブタイトルを見た時の、偽らざる感想です。
だって、ポップンパーティーですよ?
ポッパー諸氏はご存知だと思いますが、ポップンミュージックは元々MZDが開催するポップンパーティーにやってきたキャラクターたちが曲を披露する、という大前提のもと成り立っています。
その根源の名を冠したポップンミュージック。
「うわあああああ最終作だああああああ!!!」ってなりません?
ちなみにこの叫び、あと何回か出てきます。頭の片隅に置いといてください。

そうして始まった解禁イベント。
いろんなポッパーが夢に見ていた、でも、叶いそうもなさそうな曲たちが次々と公開されたのです。
以下、当時の僕のリアクションを再現します。

V-RARE収録の曲が突然3曲も収録されたときの僕「うわあああああ最終作だああああああ!!!」

初代収録、大いなる祖『Quick Master』のリミックス解禁時の僕「うわあああああ最終作だああああああ!!!」

コナミを代表する歌姫sana女史、そして彼女の魅力を最大限引き出すTogoシェフの黄金コンビが繰り出す『タンバリンビーツ』解禁時の僕「うわあああああ最終作だああああああ!!!」

beatmania初代のボス曲。ひいてはコナミ音ゲーの原点、『20,November』解禁時の僕「うわあああああ最終作だああああああ!!!」

もはや説明不要。ポップンミュージックと言えば彼の歌声、そして彼の楽曲。杉本清隆氏とwac氏夢のコラボ『LittleRockOverture』解禁時の僕「あ……これホントに最終作だ……」

当時の人類には、そして今の僕にもわけのわからないもの『シュレーディンガーの猫』EXを叩いた時の僕「あっ、これ最後にヤバい譜面出して、目標にして頑張ってねってするやつだ……。最終作じゃん………」

そして最後にジャンル名『アフターパーティー』こと『Have a good dream.」のアニメーションを見て大泣きする僕「ア………ァ……………」

ポップンミュージック17 MOVIEのロケテ開始の一報を見た僕「うわあああああ最終作じゃなかったああああああ!!!!!!………なんで?いや嬉しいけどなんで!?」

改めて振り返ると、情緒が不安定すぎますね?
まあ当時は本当に毎週ポップンの終わりを突きつけられている感触がして、豪華な隠し曲たちとは裏腹にちょっと悲しくなりながら叩いていた記憶があります。
オタクという人種は、叶いそうもないコラボとか、これは収録されないだろうみたいな曲とか、歴史を振り返るみたいな曲とかが次々と収録されてしまうと嬉しさよりも勝手に終焉を想起して怖さが先に来るものなのかもしれません。
……この時、学んだはずだったのですが。

3.ポップンミュージック20 fantasia

続けての終わりの予感はこの作品です。これは解禁イベント最後の曲があまりにも終わり感がしてちょっと心配になったやつでした。
ジャンル名『エピローグ』こと『そして世界は音楽に満ちた』は、fantasia……幻想の音楽たるゲームミュージックの歴史を辿る楽曲です。
ファミコン、拡張音源チップ、メガドライブ、スーパーファミコン、プレイステーション・セガサターン、そしてCD音源を直接流せる時代へ。
村井聖夜氏のゲームミュージックに対する深い造詣を感じられる一品なのですが、『そして世界は音楽に満ちた』というお伽話の大団円を冠したタイトルと、ポップンの歴史ではなくゲームミュージックというもっと大きなくくりで歴史を遡るという壮大さに「これは……もしやポップン終わっちゃうのでは?」と再度一抹の不安を覚えたのでした。

でもこれも取り越し苦労。次回作は『ポップンミュージック SunnyPark』となり、実際に終わったのはタイトルの数字表記のみでした。良かった。

その後、『ラピストリア』で世界観の大幅刷新が行われたり、『éclale』ではポップン大好きアーティストたちが勢揃いしたジャンル公募で粒揃いの良曲が実装されたり、同作から『うさぎと猫と少年の夢』にかけてはユーザーからのお願いを再び募集するイベントが行われたり……さまざまな出来事が起こりました。
でも、今日明日にでもポップンが終わる予感はせず。日々楽しく叩きつつ「もう終わらないだろ……多分」みたいな顔をしてポップンをプレイしていました。
そう、あの日までは。

……この展開、前にも見たな?

4.ポップンミュージック peace

稼働時にサブタイトルを見た時の僕「うわあああああ最終作だああああああ!!!」

僕がネット情報でサブタイトルを見た時の、偽らざる感想です。
だってpeaceですよ?
ポッパー諸氏はご存知かと存じますが、初代のスタッフロールの最後に表示される、あの「peace」ですよ!?
そんなのサブタイトルにしたら、もう最終作じゃん!!
……前にも見た展開だとしても、今回も終わらないとは限らないじゃないですか?
ポップン16から10年。こんな節目の作品で「さよならあなた 全ての終わり」みたいな雰囲気を醸し出して送り出された25作目。
隠し曲解禁イベント「ポップンタイムトリップ」で公開された、シリーズ20年の歴史をなぞり過去作のオマージュとリスペクトに溢れた隠し曲たち。
それらは、10年前の学びを遥かに超えて……というより、本当に夢が叶いすぎてもう何もかも忘れてしまいました。

歴代ポップンを彩った伝説級のアーティスト・ボーカリストの、過去作への愛に溢れた新曲の数々。
思い出の曲に次々追加される新譜面。
古参ポッパーの妄想の具現化、担当キャラDeuilとかみんなイメージしたこと絶対ある。『Invisible Farewell』。
とうとうアーケード移植された家庭用ヤバ譜面、クラシック8EX。
お星様にお願いのリフレインなんて、それをされたらいよいよポップン終わっちゃうのよ。『Vinculum stellarum』。
ポップン5が置いてあるダイエーのゲームコーナーまで片道1時間かけて自転車を漕ぎ通っていた少年時代の自分に報いるべく、夜勤明けのボロボロの体を押して解禁し人目も憚らず泣きながらプレイした『le mal du pays, numéro1』。

そしてそんな最高のイベントのクライマックスに用意された『さよならのうた』。
イントロで聞こえた、聞き慣れた懐かしい旋律。どこまでも優しい、杉本清隆氏とsana女史の歌声。そして、曲終わりの隠しボタンで「We love pop'n music!」の声を聞いた時に湧き上がった涙。
……推しコンテンツの終焉を見届けたという感慨。忘れることはきっとありません。

そう、ポップンミュージックは今でも僕たちの思い出の中で稼働し続けt

解禁イベント第二弾!『ポップンイベントアーカイブ』開始!!

次回作『ポップンミュージック 解明リドルス』稼働開始!!!

…………不死身かな?

5.まとめ

かくして、僕の最推しことポップンミュージックは終わりそうで終わらず、最新作「Unilab」が稼働し今日に至ります。今も9つボタンを叩ける幸せ。

ただ、ゲーセンを取り巻く世界の環境は日に日に厳しくなり、ポップンの設置台数も目に見えて減っています。
この記事を読んで、「ああ、そういえば当時心配したなあ」と思ってくれた方。「自分が音ゲー始める前の昔にそんなことがあったのか」と思ってくれた方。
いやもういっそ読んでいただいた全ての方、あなたの推しゲーにクレジットを投入してあげてくれるとめちゃくちゃ嬉しいです。

いつか来てしまう終わりの日まで。でも、その日が来るまでは、きっと。
「誰にも止められない」
「ボタンさえあればいい」

ポップンミュージックへ、全ての推しゲーへ、愛を込めて。

peace.



ー ー ー ー ー ー ー ー ー

書いた人:アズニィ
20年以上にわたる音ゲー歴の中でふと考えたことやら普段音ゲーしててぼんやり考えたことを文章にして出力すると面白いのではないかと考えて参加。基本的にいろいろ拗らせているので、今その話する? みたいな話題が多々出てくると思います。

次回の更新日は7月6日(土)です。お楽しみに!