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一目雲4つを1つのインジケーターで表示できるコードです。

一目雲って、一目で抵抗帯の位置や強さが確認できて便利ですよね。
転換線(水色線)、基準線(茶色線)、先行スパン2(雲の赤線)もそれぞれ9,26,52期間の高値と安値の中間値ですので、一目均衡表を使っていない人にとっても半値戻しやフィボナッチ50%のラインとして意識されることも多くあります。

今回は、この一目雲を4つ表示することで、1つのチャートに追加で異なる3つの時間足の一目雲を表示させる方法を紹介します。
このように表示することで、チャートを切り替えなくても複数の時間足で意識される価格帯を確認できるようになります。

異なる時間足の一目雲を表示させる際に陥りやすい罠と回避策

通常、TradingViewに異なる時間足のインジケーターを表示するにはsecurity関数というものを使います。
ですが、一目均衡表でsecurity関数を使っても、ずれてしまいます。
これは、offset(指定本数ずらすパラメータ)がsecurity関数で指定した時間足ではなく表示中の時間足で計算されてしまうためです。

上:日足の一目均衡表
下:4時間足にsecurity関数で日足の一目均衡表を表示
 offsetを使わない転換線、基準線は一致していますが、offsetを使う先行スパン、遅行スパン、雲は大きくずれています。)

offsetに元の時間足÷表示時間足を掛けると大体一致しますが、pineスクリプトで全時間足でこの計算をするのは現実的ではありません。
そこで私は、一目均衡表の各パラメータをn倍することで、表示している時間足のn倍の時間足の一目雲を表示させることにしました。
この手法だと、security関数を使わないので時間足によってoffsetを調整するといった必要もなくなり、元の時間足の一目雲と大体一致します。

上:日足の一目均衡表
中:4時間足にsecurity関数で日足の一目均衡表を表示、offset6倍
下:4時間足に各パラメータ6倍(54,156,312,156)の一目均衡表を表示
 どちらも大体一致しており、日足雲の近似値として使えそうです。

この、期間をn倍する手法はマタドールさん考案の、複数時間足のボリンジャーバンドを使ったボリンジャーマップでも使われている手法になります。
4時間足に日足、週足のBBや15分足に1時間足、4時間足、日足のBBを表示されたりしていますね。

最初に紹介するソースコードでは、2,4,8倍の一目雲をデフォルトで表示します。
15分足では15分,30分,1時間,2時間足の一目雲が
30分足では30分,1時間,2時間,4時間足の一目雲が
表示されます。

私は、各時間足で以下のように表示する一目雲の倍率を変えているので
これを自動化するソースコードも最後に載せておきます。
1分足:3,5,15倍=1分,3分,5分,15分足の一目雲を表示
3分足:5,10,20倍=3分,15分,30分,1時間足の一目雲を表示
5分足:3,6,12倍=5分,15分,30分,1時間足の一目雲を表示
15分足:2,4,8倍=15分,30分,1時間,2時間足の一目雲を表示
30分足:2,4,8倍=30分,1時間,2時間,4時間足の一目雲を表示
1時間足:2,4,6倍=1時間足,2時間足,4時間足,6時間足の一目雲を表示
2時間足:2,3,6倍=2時間足,4時間足,6時間足,12時間足の一目雲を表示
4時間足:2,3,6倍=4時間足,8時間足,12時間足,日足の一目雲を表示
日足:2,3,7倍=日足,2日足,3日足,週足の一目雲を表示
週足:2,3,4倍=日足,2週足,3週足,月足の一目雲を表示
※その他の時間足の場合2,3,6倍となります。
※倍率の高い雲を表示するには、十分な本数のロウソク足を読み込めている必要があります。表示されない場合はチャート縮小や左スクロールで過去のロウソク足を読み込む事で表示されるようにます。

PineスクリプトソースコードからTradingViewにインジケーターを追加する方法はココさんの仮想通貨情報サイト「銭ナビ」中の記事が参考になります。

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