小さな世界
子供の頃から、小さな世界が大好きだった。
二階の物干しに置いていた水槽、赤色で大きな網目の蓋がついていたっけな。
中には、近所の田んぼからとってきたカブトエビ、ホウネンエビ、カイエビのエビ3点セットが。
この水槽の前で、どれだけの時間を過ごしたことだろう。
やがて30歳を過ぎて、千歳烏山で過ごした独身時代。
部屋にはやはり水槽が。
中身のメインはミジンコ。
他にはモノアラガイにサカマキガイにタニシ。
そしてヒル。
仕事が終わって、酒を飲んで、一人で何時間でも飽きることなくその水槽を眺めて過ごしたなあ。
タニシから、子タニシが出てきたときはびっくりした。
その時初めて、タニシが卵胎生ということを知った。
セローで関越道に乗って、花園までカブトエビとホウネンエビを採りに行ったこともあったな。
その後、北の大地に移り住み、庭のある家に住むこととなった。
庭先には、雄大な景色が広がっている。
そんな庭に作った小さな水たまり。
田圃から採ってきたミジンコを入れた。
雄大な景色の中の小さな世界。
いくつになっても好きなんだなあ。
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