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森の神様

 カメラとシュラフをもって、シマフクロウの住む森で一夜を過ごした。
 森で夜を過ごすのは一人に限る。
 心の全ての部分で、森と対峙できるからだ。

 「ボッボッ」「ボッボッ」
 なんとも威厳のある声は、どうやら雄だけのようだ。
 すぐそばにいる。

 「ボッボッ」「ボッボッ」
 声は聞こえるが、神様は姿を見せない。

 「ボッボッ」「ボッボッ」
 一晩中聞こえた神様の声は、朝6時ちょうどに聞こえなくなった。


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