BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 3- IIDX 試合所感(第1試合・第2試合)

本記事では、先日放映されたBEMANI PRO LEAGUE -SEASON 3- IIDXの第1試合・第2試合の所感を書き連ねていきます。
試合全体を広く浅く見た感想になります。
各試合各選手の選曲・立ち回りなど、触れない部分がありますことをご了承ください。
また、記事内では選手名は全て敬称略とさせていただきます。
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第1試合 GiGO vs APINA VRAMeS

前季から同じメンバーでリベンジに臨むGiGOと、新星を迎え入れて心機一転を図るAPINA VRAMeSの試合からBPLS3が始まりました。

APINA VRAMeSに今季より所属となったCHP*1Eが開幕試合の先鋒戦に登板、というのがこの試合の目玉の一つであったと思います。
他機種での大会出場の実績があるとはいえ、IIDXに満を持して参入、そしてさらにトップバッターで相手は精密機械ということでプレッシャーは計り知れなかったことでしょう。
しかしそのプレッシャーを跳ね除け、夢追う九州男児が華麗な東京凱旋を見せつけていきました。
今季において悪く言えば懸念でもあったCH*P1Eのこの活躍が、APINA VRAMeSの流れを作ったと考えています。

中堅戦では、APINA VRAMeSから前季に苦い思い出が多いKENTANが、聖堂CORIVEに対峙しました。
聖堂の洗礼を受けたKENTAN万事休すかと思われましたが、ここでど根性が発動し、意地の1点差で自選曲勝利。
現役選手内では最古参と言ってもよいKENTANですが、まだまだ衰えは知らないようです。

大将戦は最早蒼き大黒柱と化したUCCHIEをNUCHIOの魂で打ち砕けるか、という様相になっていましたね。
どうにか食らいつく場面も見られましたが、その柱を崩すことは叶いませんでした。
GiGOとしては結果もそうですが、3名ともに真価を発揮できなかったイメージがついてしまう結果となりました。
完璧と言える試合運びをしたAPINA VRAMeSとの対比も相まって不穏な空気が早くも立ち込めてきているように感じます。
まだ初戦なのに、と言いたいところですが、実は初戦だからこそのくっきり分かれた明暗ではないか、とも思っています。

第2試合 レジャーランド vs SILK HAT

偶然にも第1試合とほぼ同じような構図で、前季携わった全員がリベンジに臨むレジャーランドと、新たな刺客を迎え入れたSILK HATの試合です。
ただ、端からリリースでストイックな人選を行ったAPINA VRAMeSに対し、SILK HATは戦線離脱となった前季の選手の後釜を迎え入れる形での再編成となっています。
離脱した元選手らには今でも愛国心がしっかりと残っているようです。
比べるのは野暮とはいえ、チームとしての愛の大きさがSILK HATからは垣間見えます。
しかし対するレジャーランドは全員が3年目ですから、勝手知ったるのレベルが違います。
結束力が試される一戦だったと言えそうです。

試合については、開幕から大きな山場が待ち構えていました。
前季は振るわない印象だったKIDO.が満を辞して初戦の先鋒戦に登板。
さらにそれを迎え撃つのは、IIDXの申し子というより、最早IIDXそのものである、レジャーランド1のホープG*でした。
正直、G*に軍配が上がると多くの者が考えていたでしょう。
しかし、自選のアクマフカで、KIDO.自慢のブースト(中盤〜終盤の怒涛の追い上げ)が炸裂。
ここで得た1ptは、たかが1点されど1点です。
全ての引き金となったのがこのKIDO.の1ptだと考えています。

中堅戦はレジャーランドに対し何かといわくつきの魔術師SEIRYUと、こちらも強敵と名高いMr.レジャーランドDINASOの対戦でした。
するとここで衝撃の展開。
SILK HATがレジャーランドの選曲をストラテジーで封じたのです。
レギュレーション的にはDINASOにやや分があるように思われたこの局面でSILK HATのこのアクションは予想外でした。
おそらくですが、元々ドローでも御の字だったところが先鋒戦で勝ちがチラつき始めたため、それなら勝ちのために舵を取ろう、という判断だったのではないでしょうか。
そして事実、先鋒戦で既に温まりつつあった現場の雰囲気が変わることはなく、そのままの流れでブルードラゴンがレジャランザウルスを討伐
ここで風向きはSILK HAT側に大きく傾きました。

大将戦は、3年目の正直を誰より願う懇願者1-PINと、SILK HATに最初の希望をもたらすべくやってきたVELVETの対戦でした。
1曲目は実力差を見せつけられたVELVETでしたが、かつて1-PINが勝利した曲をぶつけて勝ちに行こうとするその姿は強者という言葉では形容しきれません。
さらに本番では火事場の馬鹿力を発揮し、対戦相手も己すらも超えての勝利となりました。
SILK HATは試合の流れを完璧に掴み切った鮮やかな勝利だったと言えそうです。
レジャーランドは、今回ばかりはSILK HATの躍進に一泡吹かされたとしか言いようがありません。

2試合を通した所感

まだ2試合しか公開はされていませんが、2試合だけでもある程度の共通項が見えてきたので共有したいと思います。

何より大きいのは、試合は流れを作ったほうが勝つ、ということです。
必ず、ということではありませんが、流れを断ち切るのはそう容易に出来ることではありません。
BPLの場合、試合に誰が出て誰と戦うかが事前に分かっており、自動的にある程度の下馬評が浮き彫りになってしまいます。
試合によってはその時点で有利不利が見えてしまうこともザラですが、ここがひとたび覆ると、驚くことに一気に覆した側に流れが向くものです。
第1試合では、先鋒中堅とどちらかと言えばGiGOに分があるように見えた対戦でAPINA側が意地を見せ、最終的に勝利につながりました。
第2試合はより顕著で、言葉を選ばずに言えば、調子のよかったG*と調子の悪かったKIDO.がぶつかりKIDO.がポイントを取れたことが、流れを作るポイントだったのです。
さらに第2試合では、中堅でストラテジーに踏み切ったというところに流れを断ち切るまいという意思が見えました。
SILK HATはおそらくこの「流れ」をしっかり重んじるように立ち回っていたのだと思います。

レギュラーステージの序盤は、低難易度での勝負が多く、どの選手も比較的勝ちの可能性がある、つまりこの譜面ならまずこの選手は負けない、というパターンが比較的少ないと言えます。
実力差が結果に忠実に反映される可能性はそれほど高くない、ということです。
では何が試合の決定打になるのか。
それこそ、流れだと考えています。

そしてそれは長期的に見ても同じことが言えます。
4チーム中1チーム脱落のレギュラーステージは各チーム6試合行いますが、例えば2試合終えた時点で2勝のチームと2敗のチームがある場合、マークを受けやすいのは当然後者です。
下位のチームに勝利する方が、最下位を避けられる可能性が高いからです。
このことから、早くに勝利を収めたチームには流れがある、と考えることが出来ます。
初戦だからこそくっきりと明暗が分かれた、と前述したのはそのためです。

もちろん、まだあと5戦残っています。
このあと好調に立ち回ることが出来れば、まだ流れを作り出せる段階にいるでしょう。その逆も然りです。
ただ、各チーム2試合を終えると、だいぶ戦況がはっきりと見えてくるのではないかと考えています。

まだ初戦をこれからに控えたチームもあります。
まだまだ戦いは最序盤ですから、まずはどのように勢力図が出来ていくかを、見守っていきましょう。

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