地に足がついていない私
忙しい。
疲れている。
そう、私は疲れている。
先週、ロサンゼルスへ行く際に自宅にスマホを忘れてしまった。
バタバタと準備をしていた訳ではなく、静かに身支度をして「まだ自宅を出るには早いかな。まぁでも余裕を持って出るか。」とのんびり出掛けた。
駅に着いて、電車の時刻を再確認しようと鞄を探るとスマホがない。
せめてイヤフォンで音楽かスタエフを聞こうとしていたらマンションを出る前に気付けたのに。
職場には余裕を持って出社時間の2時間20分前に着く様にしていたので、スマホを取りに戻る事も出来なくもない。
けれど私は疲れていた。
スーツケースを引きながら同じ道を戻るなんて考えられない。
諦めてスマホがない3日間を選んだ。
電車に乗っている時間が暇だった。
フライト中の仮眠も目覚まし時計がないので安心して眠る事が出来なかった。
何より滞在中、いつもNetflixやAmazonプライムの映画やドラマを観ながら過ごしていたのでやる事がなく暇だった。
テレビに映るJAPAN チャンネルを眺めながら、ちむどんどんの再放送や大相撲の中継を眺めていたら21時間のステイはあっという間に終わった。
仮眠も出来ておらず寝不足のはずなのに、現地時間の18時になっても眠くなかった。
1時間おきに寝たり起きたりしていた。
朝7時にかけていた備え付けの時計のアラームが本当に鳴るのか、鳴っても小さい音だったらどうしよう…と、心配事が重なって中々寝付けない夜だった。
これだから西海岸は嫌いだ。
様々な不便をぐっと堪えながらやっと日本に帰宅。
電車で爆睡しながらやっと帰宅すると、私の赤いスマホはベッドサイドで充電されながら佇んでいた。
「皆んな、私を心配してたら申し訳ないな」と思いながらLINEを開くて、大した連絡は入っていなかった。
清美さん(美人の先輩)からくだらないテレビ番組のURLが届いていたくらいだ。
姉だけが私の乗る飛行機をアプリで追ってくれていて「10分遅れて離陸だね。」「30分早く到着したみたいだね!」と2通のLINEが届いていた。(ストーカーかw)
私が自宅で孤独死した場合、3日たっても誰にも気付いて貰えないのかと思うと切なくなった。
次は4日目あたりから心配して欲しい。
日本に帰った夜、倒れ込むようにベッドで寝てしまった。
次の日の朝、トイレに行ったら表裏逆にしてパンツを履いていた。
もう限界かもしれない。
親指のささくれが思いの外ビッグサイズで、何となく剥いたら深い所まで剥けてしまって血だらけになった。
水仕事と機内の乾燥で、指の関節があかぎれの様になり外傷レベルとなっている。
こんな時はユースキンだ。
疲れているし、集中していない。
洗濯物は畳んでいない。
年末からためていたゴミ出しがやっと出来た。
靴下の片方が見付からない。
美味しい焼菓子の賞味期限が切れている。
コンビニでご飯を買ってばかりだ。
今日からまたフライト。
地に足が全くついていない生活だ。
こんなんじゃ恋愛も出来ない。
いや、する気が多分ない。
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