007ヴァンパイアの妻
《館の部屋、時計が深夜を指す》
【あん】
「まだ帰って来ないわ…。
アスター、どうしたのかしら…。
はぁ、また…私ひとりだわ…」
【あん】
ヴァンパイアになって1年。
夫を亡くしたばかりの頃、ヴァンパイアの始祖のアスターは私を妻にするために、ある日、私を襲ってヴァンパイアにした。
私は、ヴァンパイアになるつもりなんてなかったのに、それはあまりにも、無理矢理の吸血だった。
それからは夜な夜な、アスターは愛情を求めるように、私の血を吸う。
たぶん彼にとって吸血は、栄養摂取の他