加速化する合従連衡

大手塾の合従連衡は珍しい事でもなくなったが、最近は投資ファンドが関わっているケースが多い。


2021年10月、家庭教師のトライでおなじみの㈱トライグループはイギリスの投資ファンドに1000億円超で全株式を売却するとの報道があった。
売上高400億円の企業であり、最近ではどこの地域にも必ず看板を見かけるというくらいに出店している。
この10年間で急激に伸びてきた企業の一つ。


また、2021年10月、英進館が㈱ビーシーイングスの株式9割を取得。
この㈱ビーシーイングスという会社は広島の大手塾である田中学習会を運営。
田中学習会は、売上高は34億で生徒数は約1万3000人、広島、岡山、大阪、香川、愛媛で計93校へと拡大中。
2016年に投資ファンドと資本提携し上場を目指していたようだが断念し、英進館への譲渡となったようだ。
売却額は非公表。


ちなみに、英進館の売上高は約126億円。
九州全域に90校弱、約4万人の生徒を抱える。
2010年に広島の鯉城学院を子会社化し広島県進出。
英進館鯉城学院として県内に3校展開中であり、今後の広島県での英進館のポジションは大きくなり、西日本への展開も急拡大していくことが予想される。


最近の投資ファンドへの売却は決して調子が悪い塾ではなく、良い時に良い評価を狙っての売却というパターンが多い。
㈱トライグループは莫大な創業者利益を手にし、㈱ビーシーイングスは看板は田中学習会のままで強力なバックアップを手にいれることとなる。
今後の少子化は一層深刻で、これまでの10年以上にこれからの10年は厳しくなることが予想される。
今後も全国的に合従連衡の動きは続いていくであろう。

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