5ラウンドシステムで英語4技能の成果は出せるか



2021年、指導要領改訂により小学英語が教科化された。
これで、多くの人は小中高で8年間英語を学ぶことになる。
特に今回の指導要領改訂では読む聞く書く話す(やり取り、発表)の4技能化に力を入れているので、これからの人たちが英語を気軽に扱って外国の方とコミュニケーションを取れるようになることを願ってやまない。


ただ、現実問題、既に英語を習ってきた世代は、少なくとも中学高校で6年間以上英語の学習をしてきたにも関わらず英語を話せない人が大多数だ。
これは授業自体が音読しかしてこなかった、教師と生徒や生徒同士での英語のやり取りが不足していたという事が挙げられるであろう。
そんな中、5ラウンドシステムという学習法が脚光を浴びている。


5ラウンドシステムとは、横浜市立南高等学校附属中学校で生まれた教科書を5回転させる学習法だ。
1ラウンド目で教科書のユニット1~最後のユニットまで一気に通してリスニングをさせる。
それをひたすら繰り返す。
中1で入学した生徒にひたすら2~3か月間リスニングを行う。
ピクチャーカードで場面を提示して並べ替えを行い、リスニングを通して内容理解を行う。これがラウンド1だ。
ラウンド2では音と文字の一致。
教科書の文章がランダムにならんでいるワークシートを使った活動を行う。ここでもリスニングがベースとなる。
ラウンド3で音読。
ここまでで生徒は70~80回以上教科書本文を聴いており、大量のインプットをしている状態。
話の内容プラス音と文字がすでにインプットされているのでスムーズにアウトプットすることができるそうだ。
ラウンド4は穴あきワークシート。
穴埋めをしていくのだが、レベルが4段階に分かれており最終的にはほぼ全て穴の状況にアウトプットすることとなる。
最後はラウンド5。
教科書の内容を自分の言葉に置き換えて説明するリテリングを行う。


この5ラウンドシステムのねらいは、教科書本文を生徒が自由に使えるようになるまで「染み込ませる!」ことなんだそうだ。
熊谷市、川口市、福山市、私立中学校でも導入されており、今後も全国の英語の先生から注目を浴びている教授法。
ちなみに冒頭の横浜市立南高等学校附属中学校は偏差値70レベルの超難関校。
追随した自治体でどれだけの成果が出せるか注目している。


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