『塔』2024年1月号掲載歌
なみの亜子選として「若葉集」P.193に鍵外🔑で7首掲載していただきました。
10月に行った目黒の庭園美術館をテーマに詠みました✨
若葉集より
ラリックの女神四人に目礼し庭園美術館に入りぬ
豊穣と多産といえどレリーフの柘榴から実はこぼれ落ちない
部屋はなお淡い緑を宿したり ラパンの描いた壁紙の森
くりかえす線と模様と色彩の渦にしずかに巻き込まれゆく
三階のテラスには午後のひかり満ちわれを迎えるサボテンと椅子
芝の上に墩(とん)は斜めに据えられて透かし模様に風の吹き入る
彫刻の楕円の穴と戯れる少女らふたりスマホ繰りつつ