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『塔』2023年12月号掲載歌

溝川清久選の題詠四季「名」にてP.150に1首、山下泉選として「若葉集」P.199に鍵外🔑で7首掲載していただきました。

若葉集も題詠四季も4番目という奇妙な偶然で、両方とも、目次にも名前を載せていただきました😊

題詠四季「名」

示すではなく禾(のぎ)ですと言いたればわが名は風にそよぐ木となる

若葉集

快速の車窓から見るパラソルが等間隔にならぶ海岸

不自然な生態だとは言われずに今日もイルカはフープをくぐる

秋めいた風にはつかまりたくなくて屈伸をする夜明けの渚

深海に向かうと模したディズニーの遊具で濁すむかし見た夢

湿り気を忘れた砂に手を埋めて海への距離を思い描いた

小袋のサハラの砂は本棚に 薔薇のポプリは捨ててしまった

潜ることなどきっとない海溝の深さを話すときの青空


P.209の選歌後記にて最後の歌の評をいただきました。

今回、色々な人とのいちご摘みを中心に海の要素がある短歌を集めて出しました。
他の投稿先に出してボツだったけれどお気に入りという歌も多く、日の目を見て嬉しいです。