2022年のfromis_9まとめ

明けましておめでとうございます。昨年の内に2022年のfromis_9の活動をまとめておきたいなとずっと筆を取っておりましたが、最推しなだけあって言いたい事が多過ぎた故、中々骨子が固まらず、リライトにリライトを重ねて結局年が明けてしまいました。

という事でこの記事では2022年のfromis_9にとって<重要だったトピック>を「楽曲」「コレオグラフィー」「ステージ」の3つのカテゴリーに分け、それぞれの部門で3つずつピックアップしてまとめていく事にしました。ピックアップの基準としてはfromis_9にとっての大きな変化や進化を感じるものです。ちなみに1~3とナンバリングしてはいますが順不同です。結果的に膨大な量のテキストになってはいますが、それぞれのトピックを限りなく簡潔にまとめている都合上、メンバー全員の事をフォローできていると言えばそうではありませんし、この場では拾い切れていない、言及し切れていないものも多くあります。そこだけはご容赦ください。またコレオグラフィーに関しては完全な素人ですので自分が現状の知識の範囲内での言及となっています。

2022年のfromis_9は、非常に悲しい出来事も多々ありましたが、2回のカムバック、初のファンミーティング開催、初の単独コンサート開催と総じて躍進の年、飛躍の年であったと感じています。またHYBEに関しては未だに色々と言われる事が多い会社ですが、fromis_9はPLEDISに移籍できて本当に良かったと思っています。彼女達が躍進できたのも会社からの充実したサポートがあってこそだと思っています。ありがとうPLEDIS、ありがとうHYBE。

そして何より、何があっても耐えて踏ん張ってアイドルでいる事を諦めなかったメンバー達がいるからこそ、今年の大躍進があると思っています。8人でPLEDISとの契約の道を選んでくれてありがとう。そして女優の道を選んだギュリの選択もとても美しいと思います。絶対に女優で成功してほしい。

またまとめの最後に次回のカムバの予想を好き勝手にさせて頂いております。当たるかどうかは置いておいて、こういうのを考えるのはとても楽しいので皆もそれぞれしたらいいと思う。

前置きが長くなってしまいましたが、下記まとめになります。
今年も引き続き宜しくお願い致します。

<楽曲>

1.「Love is Around」

4thMiniAlbum『Midnight Guest』収録のユニット曲。Joohyoung Lee(MonoTree)がプロデュース/ソングライティングを手掛けたスローバラードナンバー。リードボーカルであるハヨン、ギュリに加え、セロム、チェヨンを起用。ハヨン、ギュリが盤石の歌唱力を見せつつ、ボーカリストとして印象がそこまで強くなかったチェヨン、セロムの歌声の新たな一面が見事に引き出されている1曲。そして"脱退前にギュリには絶対スローバラードを歌って欲しい!"というA&Bの想いが伝わってくる1曲でもある。私がfromis_9のA&Rでも絶対にそうすると思います。

「Love is Around」の素晴らしいポイントはチェヨンとセロムにボーカリストとして新たな付加価値を与えた所だと思っています。ポジション的にそこまで歌声がフォーカスされてこなかったメンバーの、もしかしたらファンでも知らなかったような歌声の魅力を発掘し、再提示する。fromis_9が新たなフェーズに向かっている意志を明確に感じる采配です。バラード好きのチェヨンに関しては歌唱力も追いついてきてようやく本領発揮といった所だと思いますが、特筆すべきはセロム。「DM」でのカムバック時に公開された単独インタビューによると「Love is Around」の抜擢はセロム自身も驚いた起用のようで。しかしながらこの楽曲に考え抜いてセロムを選出したA&Rチームの愛、そしてそれに最大限応えたセロム。最年長ながらメンバーの中でも特に"可愛い声"の持ち主のセロムが擦れそうな裏声で切なく歌唱するパートはまさに"新しいfromis_9"そのものと言えると思います。また昨年末にInstagramで公開されたチェヨンのCoverも、より成熟したチェヨンのバラード歌唱を味わえる動画なので併せて置いておきます。

2.「Hush Hush」

4thMiniAlbum『Midnight Guest』収録のユニット曲。ジウォン、ソヨンが楽曲制作に参加。プロデュースはfromis_9「Weather」やSEVENTEENの作品も多く手掛けるNmore(PLISMFLTER)。誰も居ない夜の街を縦横無尽に遊び回る5人の様子が思い浮かぶような軽快なハウスナンバー。9月末から10月上旬にかけて開催された初の単独コンサートにて振り付け付きのパフォーマンスを初解禁。まさかこの曲にコレオが付くんか…と驚いたファンも多いとか少ないとか(私は驚きましたが)

言わずもがなではありますがソヨンの大覚醒曲。ソヨンのボーカルの「癖の強さ」がこれでもかという程に前景化したナンバー。この「Hush Hush」を皮切りにソヨンのボーカリストとしての才気がとにかく迸っていた2022年だったと感じます。fromis_9では唯一無二と言えるLowの効いたハスキーな歌声と、YG譲りのグルーヴ感とHipHop由来の跳ねた歌唱、それにこれまでの5年間で培った経験値が混ざり合い、ついにそれが爆発。メインラッパーというポジションを超越したオールラウンダーとしての確固たる立ち位置を築いた年、それが2022年だったと思います。2023年のfromis_9のキープレイヤーは間違いなくソヨンであると言い切れる、それを確信させた楽曲でした。楽曲制作からボーカルディレクションまで、既にプロデューサーとしての役割もそつなくこなしているレコーディングビハインドも凄いのでどうぞ。

3.「Blind Letter」

5thMiniAlbum『from our Memento Box』収録曲。BTSやTXTの楽曲を多く手掛けるBIGHIT所属のプロデューサーSlow Rabbitと、こちらもBTSやTXTの楽曲を多く手掛ける元BIGHIT所属のアーティストADORAの2名がプロデュースを手掛けるfromis_9としては初のHYBE体制曲となるミッドナンバー。楽曲のBIGHITカラーの強さも相俟ってfromis_9らしくないフィールも存分にありつつ、それでいて歌が乗ると不思議とfromis_9らしくなる。新しいfromis_9の可能性の地平を切り開いた楽曲。

この楽曲に関しては良い意味での"fromis_9らしくなさ"がポイントになっていると思います。これまでディスコやファンク由来の跳ねたグルーヴのある曲はありましたが、この「Blind Letter」のようなTrap以降のレイドバックするようなグルーヴの曲は初めてで、それと同時にfromis_9はこんな曲も歌えるんだという驚きもありました。特に2ndVerseのジウォンパートは、この譜割りの細かさでグルーヴを出しながらしっかりメロディーを歌うという高度な歌唱をやっていて流石メインボーカル!と唸る出来映え。1月2日にとある本国の記事で書かれていた2023年のHYBEのテーマは「レーベルコラボレーション」との事で、今年の上半期に準備されている8人体制での初のカムバックもHYBEのクリエイティヴがより濃く反映されてガラッと変わる可能性もあるのではという。そんな期待を込めつつ、こちらの楽曲を"新しいfromis_9"を象徴する楽曲としてピックアップ。

<コレオグラフィー>

1.「Rewind」

5thMiniAlbum『from our Memento Box』収録曲。プロデューサーのSWEETCHN!koが手掛けるクールなダンスナンバー。fromis_9としては初と言ってもいいガールクラッシュ路線の楽曲ではあるが、抑制されたボーカルや強烈なラップパートの不在など既存のガルクラ要素を踏襲しない所もあり、fromis_9流ガルクラと言っていい仕上がりに。振り付けを手掛けたのは「DM」と「Stay This Way」「Up And」の振り付けも担当しているコレオグラファー/ダンサーのKINGBEARと彼の所属するダンスチームのTEAM 406K。しやなかでいてクール。現在のfromis_9の最高到達点とも言うべき1曲。

個人的に2022年のfromis_9を象徴するのはこの「Rewind」だと思っています。それ程この「Rewind」が今年のfromis_9に与えたモノの大きさは凄まじいものでした。KCON JAPAN、そしてSBS歌謡大典。他のファンダムが多く集まる大きな舞台で、自分達よりも人気のある後輩グループ達と正面を切って戦えたのはこの「Rewind」があったからなのは間違いありません。"パフォーマンス面"でfromis_9の持つポテンシャルを最大限に引き出し、かつ大舞台に負けないような強度を持ち、ダンスブレイクでパフォーマンス自体を拡張できる"カマシ曲"。デビュー5年目のグループであり、最前線で活躍する第四世代グループへの挑戦者でもあった2022年の彼女達には「Rewind」のような"キメ曲"は必要不可欠だったと思います。きっとこの曲は2023年にもここぞ!というステージで活躍してくれる曲になるはず。そしてセロムのダンスブレイクは最高。

2.「Airplane Mode」

2ndSingle『9 WAY TICKET』収録曲。プロデューサーはPLEDISのCEO、皆大好きハン・ソンス。メンバーのジウォンが作詞に参加し、元PRISTINのShanonnがソングライターとして参加している。抑制されたボーカルとベースラインとビートだけになるコーラスパートから伸びやかなメロディーラインが開放感を与えるポストコーラスへ繋がる展開が魅力の楽曲。振り付けを担当したのはSEVENTEEN・JUNの「LIMBO」なども出がけているダンスチームのTHe.odd。しやなかな振り付けの中に直線のモチーフを取り入れる事で"新しいfromis_9"を提示する事に成功している。

2022年のベストコレオと言えば「Rewind」と「Airplane Mode」ではないでしょうか。屈指の人気B面曲である「Airplane Mode」にまさか振り付けが付いた時の感動。そしてそれが楽曲の良さをより拡張してくれているという感動。fromis_9のコレオは肘から先のしなやかさでのニュアンス表現が秀でているものが多い印象なのですが、この曲の振り付けはそういったしなやかさはありながらも、腕全体や肘から先を使って効果的に「直線」のモチーフを多用している事でfromis_9らしさを残しながらシャープな印象の新しさも提示出来ていると感じました。また腕を大きく伸ばすような振り付けが多くダンスが大きく見えるので大きなステージでもかなり映える。単独コンサート、もしくはもっと大きなステージを想定して構築されたのは間違いないでしょう。この曲も今後のfromis_9の大きなステージで更なる活躍してくれるに違いありません。

3.「Escape Room」

4thMiniAlbum『Midnight Guest』収録曲。プロデュースを手掛けたのはWJSN、ASTRO、INI等の楽曲も手掛けるBYMORE。これまでのfromis_9には無かった文脈のムーディーなR&Bナンバー。吐息のような艶っぽい歌唱などボーカル面での新しいアプローチも多いが、ダンス面に関してもニュアンスでの表現においてfromis_9の現状でのハイエンドとも言える楽曲。振り付けを手掛けたのはテヨン(少女時代)の「INVU」の振り付け等も出がけているダンサークルーのTEAM AURA

身体のしなやかさや指先までのニュアンスのコントロールなど内省的なベクトルに秀でているコレオのように感じます。振り付けの派手さこそ前述した2曲に対してやや後退するものの(楽曲的にもそういう曲ではないので)、fromis_9のダンスのレベル自体が確実にボトムアップした事を如実に感じる1曲で、この「Escape Room」で体得した艶っぽい表現やしなやかな身体の動かし方が年末のSBSのステージに直結していると思うと、fromis_9の表現の幅を大きく拡張した点においてかなり大きな意味を持つ楽曲。またジホンのクールな表情という新しい魅力を再提示した1曲でもある。偉大。

<ステージ>

1.『LOVE FROM.』

デビュー5年目にして初の単コンであり、この5年間の活動の集大成としての意味も持った単独コンサート『LOVE FROM.』。アンコールを含めて20曲以上を披露したfromis_9が「歌って、踊れて、魅せられるグループ」であるという事をこの目で目撃した身としては、2023年の更なる躍進を信じて止みません。これまで消化してきたコンセプトに「Rewind」や「Escape Room」等の大人fromis_9の楽曲群がミックスされる事によってより多彩な楽曲が並ぶステージになるという感動。そしてそれらが全て違和感なく一つの公演の中で成立しているという感動。とにかく全部曲が良い。そしてそれをしっかり自分達のカラーとして確立できているfromis_9が素晴らしい。感動。デビュー5年目のグループとしての成熟さと、初の単独公演である事のフレッシュさが混ざり合ったステージ。間違いなく2022年のベストステージです。

2. KCON 2022 JAPAN

コロナ禍によって延期になった2020年から約2年越しの出場となったKCON JAPANのステージ。凄まじかったのはそのセットリスト。タイトル曲をあえて外して、自分達が今パフォーマンスとしてできる最高到達点である「Rewind」「Airplane Mode」の2曲で挑んだ鬼気迫る渾身のステージ。同日に出場していた自分達よりも人気のある後輩グループ達と正面を切って渡り合う為にパフォーマンス力で挑戦していくという気合いのセットリストは、もしかしなくとも初見殺しの選曲ではありましたが、負けて堪るかというfromis_9の執念を感じられてファンとしては非常に感銘を受けたのを覚えています。またこのステージはfromis_9の"脱「可愛いだけ」宣言"でもあったと思っていて。「全員ビジュアル担当グループ」という肩書だけで消費されている現状を自ら実力で破壊せんとする高らかな宣言、反撃の狼煙でもあったと感じました。ステージ下からせり上がってきた時の8人の勇敢な姿。間違いなく新生fromis_9の反撃の狼煙が上がったステージ、刺さる人には確実に刺さったんではないでしょうか。(ちなみに「LOVE BOMB」のJapanese ver.はコロナが無ければ2年前に日本デビューしていてその年のKCONで披露していた、その事の伏線回収であって、かつ日本人へのサービス的な選曲という認識なので敢えて言及していません)

3. SBS歌謡大典「DM(Deep Ver.)+Rewind」

fromis_9にとって2022年最後のステージとなったSBS歌謡大典でのステージ。『LOVE FROM.』とKCON JAPANのステージを見て一つの到達点を迎えたと思っていたfromis_9ですが、そこから更に次のフェーズに到達した事を実感させる気合いのパフォーマンスでした。これまでのフレッシュ&キュートなfromis_9のイメージから真逆の方向に振り切った妖艶でいてかつ攻撃的なパフォーマンス。それを年末のこの一番大きな舞台に向けて準備し、そして見事成し遂げたグループとしての今の確かなポテンシャル。『LOVE FROM.』がこれまでの集大成としてのステージで、KCON JAPANは反撃の狼煙としてのステージ、そしてこのSBS歌謡祭でのステージは8人体制での新生fromis_9が新しい扉を開けて新章へと1歩を踏み出した、そんな事を感じさせるステージになっていたように思えます。またこのパフォーマンスをサポートしたのは前述したKINGBEARTEAM 406K。今年の彼女達の歩みは、彼らのサポート無しでは有り得なかったと言えるので、これを機にInstagramをフォローしておくことをお勧めします。

次回のカムバ予想

最後に2023年の上半期に向けて準備されているという8人体制での初のカムバを好き勝手に予想していきたいと思います。

個人的にはサウンド的にもコンセプト的にも全くの新しいfromis_9が再構築されていくのではと思っています。また「Rewind」に通じる"大人綺麗"方向をこのまま押し進めていくとは正直考えづらいと思っていて。確かに今のK-POPシーンに「DM」で体現したような正統派大人綺麗的な立ち位置のグループは居ないと言えば居ない気もします。しかしながらここの立ち位置はある程度既に人気を博しているグループだからこそ成立するポジションだと思っていて。なので2023年も引き続き挑戦者であってバチバチに攻めていかないといけない今のfromis_9が、ある意味で"落ち着いた"印象ともとれるようなコンセプトを推していくのかと考えた時に違うのではと。

とは言え次こそはタイトル曲でしっかり実力があるグループである事をアピールしたいのも事実。と同時に今以上の人気の獲得を目指すのであれば、NewJeansやIVEにエキサイトしているような若い層の支持も集められそうなフレッシュさも必要。そうなると想像する中で一番しっくりくるのはこの楽曲のような感じでしょうか。

EXID「LADY」のルックやカルチャー感、BESTie「THANK YOU VERY MUCH」のハピネスなフィールをミックスして、よりモダンなHip Hopの今のモードにブラッシュアップしたような楽曲。大人感と自然体感を同時に魅せられるようなフレッシュでいて今のfromis_9にフィットするようなコンセプト。Hip Hop系のサウンドはfromis_9がまだ消化していないコンセプトですが、ソヨン・チェヨンのラップが出来るメンバーがいて、Hip Hopのダンスができるハヨンがいる。Hip Hop系譜のサウンドでも活躍できるメンバーもいるので全くの無しではない気がしています。ジウォンもSHOW ME THE MONEYを熱心に見ているとの事なので、全くの新しいfromis_9を見せるという意味ではこの路線は一番可能性として高いのではないか。というか私が見たい。そのコンセプトを。

リファレンスとして一番私の想像に近いのがこのMV。


これはあくまで私の妄想、希望といった所なので、このままfromis_9がこれまでの"fromis_9らしさ"を貫いていくのであれば、次のカムバで彼女達に必要な楽曲は「Feel Special」のような楽曲であるように思います。

イ・ウミンが手掛けたタイトル曲群「Feel Good」「We Go」「DM」「Stay This Way」でも自身のファンダムに語り掛けていたfromis_9が次に歌うべきは「Feel Special」のような歌詞の楽曲。弱さを抱えながらも、心無い声に行く手を阻まれながらも、それでもあなたがいるから私は何度でも立ち上がって進んでいくと高らかに標榜する楽曲。もし次回のカムバでこんな楽曲を歌ってくれたら心置きなく一生推していく事を誓えると思います。泣き崩れたい。そういう曲を聴いて。

もしくは"クール系"にシフトしていくのであればやはりBLACKPINK。

これはBLACKPINKだからこそ出来る芸当でもありますが、過度なセクシー系に振らずシックでクールなコンセプト、かつ「芯の強さ」という面を打ち出していくのであればクール系の王道としてBLACKPINKの方向へシフトしていくというのも可能性として無しではないと思います。

個人的にSlow Rabbit×ADORAの「Blind Letter」がとても良かったので、ADORA氏の上記の曲のような中毒性のある毒ファンタジックな楽曲、というfromis_9も見てみたい気がしています。

個人的にはfromis_9がこのままfromis_9にとっての「正解」だけを出し続けていくのは長い目で見ればあまり良い戦略ではないと思っていて。これまでのK-POPには無かった規格自体から大きくハミ出したような新しいエッセンスをが求められている昨今、8人での新体制、ある意味でゼロから始められるこのタイミングで是非自身の殻を破ってトライして欲しいと思っています。やりたい放題やって欲しい。今出来る全てを使って。

また1月2日に公開された本国の下記の記事によると、HYBEの新しいキーワードは「レーベルコラボレーション」と「グローバル活動の強化」との事で。

HYBE AMERICAを起点にfromis_9も日本だけでなく北米への活動を広げていくのであれば、グローバルを視野に入れるという意味でもHipHopのエッセンスを取り入れていくというのは割と直球なコンセプトのような気もします。グローバルで人気のあるグループはどのグループもHip Hop、Rapミュージックの要素を色濃く反映しているグループなので。

また今後のfromis_9の最重要キープレイヤーとなるのはソヨンであるという事は前述した通ですが、個人的に今後更に推していくべきはセロムとジホンだと思っています。

2022年のセロムは意図的に裏声での歌唱パートを多く任されていたのはご存じの通りで、実際のセロムの掠れたような裏声での歌唱はとても魅力的で新しい一面を見れたと思っています。とはいえセロムの特徴的な声質が一番エッジーな形で発揮されるのは「FUN!」の時のような高音パート、もしくは「Feel Good」の時のような無邪気なニュアンスが残せるパートだと思っていて。今後より多彩なジャンルやサウンドを消化していくであろうfromis_9のボーカルに刺激的なスパイスを投下できるのはやはりセロムだと個人的に思います。

そしてジホン。ジホンに関してはデビュー前から自身の歌唱に自信が無く、今でもそこまで自分のボーカルに自信を持っていないのではないか?と何となく思っていますが、個人的には「Escape Room」や「Rewind」での低音での歌唱の声の良さに目を見張る年ではあったので、かつメンバーの中で一番湿度の高い艶っぽい声が出せるのがジホンであったという衝撃は今年のかなり重要なトピックだと思います。

ボーカル面でのバランスや調和でいうと、やはりギュリのアイドルらしくない独特な歌声と歌唱が担っていた役割はかなり大きく、その意味でもギュリが脱退した今そのポジションを埋められるのは他の誰でもないジホンであると個人的には思っています。それは歌唱力を担保するという意味ではなく声質や歌い方が楽曲の中でどう機能していくかといった意味での役割。

HYBEのサポートもあって前事務所よりも充実した環境でレッスンを受けられているであろうお陰もあって、ボーカル面でもダンス面でも飛躍的な成長を遂げたfromis_9。元々得意とする領域はあれど、今やメンバー全員がここぞという時にセンターを張れる高水準のスキルを持ったプレーヤーに成長できていると感じた2022年。ダンサー、ラッパー、ボーカルの垣根を越えて、それぞれがそれぞれで輝けるタイミングで様々なポジションへのコンバートが可能になった今、次回はどんな新しい姿を見せてくれるのか今から楽しみで仕方ありません。

タイミングとしては1月末にカムバをするTXTの活動終了後の2月中旬~3月上旬が濃厚でしょうか。「未公開楽曲」とだけ言っていたので情報としては不確定ですが、元旦にチェヨンが次回のカムバ用のデモを聴いていたらしいので、デモがメンバーの手元にあるという事は既にコンセプトも決まって、諸々が動きだしている筈なので、やはり2月末~3月が濃厚かと。

またこれまで通りのカムバの方法論が通用しなくなってしまうであろう2023年のK-POPシーン。IVEの"I'VE SUMMER FILM"やLE SSERAFIMのドキュメンタリー、もしくはNewJeansのようにカムバの前に楽曲を先行公開しそれに合わせてコンテンツも大量投下する、といったようなカムバに直結するような話題作りをカムバの前から仕掛けていく必要がより強く求められています。PLEDISが何をどう発信していくかは現時点では分かりませんが、方法は多々あれどこれまで通りYouTubeとTikTokでただコンテンツを発信していくだけでは知名度や人気を上げていくのは難しい状況になっているのは確かだと思います。fromis_9のように"ある程度名前が知られていてイメージも固定している"グループは特にここから上がっていくのはより難しいのではとも思います。

どちらにせよ新体制で初となるカムバックなので気合の入り方はこれまで以上でしょうし、更に苛烈を極める事になるヨジャグルシーンの中で既にTOPを走っているNewJeansとLE SSERAFIMと同じHYBE所属のガールズグループとして本人達が背負うものはこれまで以上に大きいものだと思います。

これまで以上にカマしてくれる事を期待しつつ、2023年のfromis_9にも引き続き注目していきたいと思います。それではまた次のカムバの際のレビューにて。



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