しおり

暗い

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Only you

人生の節目は無数のガーベラに。約束は左手に。 大人たちは神を恨み、子供たちは神に祈ってる。 怒号のなか、きみだけは汚れずに生きていける。 ねえ、晴れたら紅茶を淹れて、雨なら本を読もう。

    • 四季に栞

      伸びきった君の髪。誰の物でも無かった砂糖細工のような瞳も、ただの一言で誰かの物になった。 まだ春だと言うのに閉じたシクラメン。多分生まれ変わる事も出来ず、幸せの輪郭すら掴むことが出来ない。だからせめて、栞だけは挟んでおこうと思った。

      • おまじない

        ずっと、彼を待っている。 季節の隙間で、凪ぐさみどりの中で、夜の帳のずっと奥で、彼を待っている。 また逢う日までが花言葉だと笑う君の顔も、もう思い出せないのに、ずっと。 窓から入る春の風と、雨のように散っていく桜の花びらを見て、もう昼下がりである事に気付いた。特別用事がある訳では無かったのだけれど、何かに急かされる様な気になる。春だった。 部屋を包む陽気に促される様に紅茶を入れる。湯気が立ち上るのと同時に、甘い匂いが部屋に広がった。懐かしいと思う。それが所作によるものなの